2011-01-01から1年間の記事一覧

聞き手も成長する

2年生に「王さまと九人のきょうだい」を読んでいて。1年生の時にも読んだので、みんなこのお話はよく知っている。 「九人は顔もからだつきもそっくりだったのです。」というところで、よく見ると赤羽末吉の絵は、ほっぺの赤い「あつがりや」や反対に青い「さ…

思いつきの日

遠くに出た仕事のあと、京都市内をぼんやりと歩いていた。 ふと美容院の前を通り過ぎ、(あ、髪の毛切りたかったんやった)。数メートル進んだ後…もどってドアをあけた。 「初めてなんですけど、カットしてもらえますか?」 「いいですよ。」 (そりゃ、お店…

物語がどうひろがっていくか

3年生の先生と話していて、おもしろかったこと。そのクラスでは、いま蚕を飼い始めている。 いまは針の先っぽほどの小ささなのだそうだが(私は残念ながら、まだ見に行けてない)、小さい蚕を指して「あ、チンコロリンや!」と子どもらが言うのだそうだ。先…

幼年童話さんへのラブレター

このところ、幼年童話を積極的に読むようにしている。 絵本から物語に移行するのには、面白い幼年童話がたくさんなくてはいけない。 でも、実情はあんまりない。 もっともっと、あふれるようにあってほしいのだが。そんななかから、久々に見つけたのは「ブン…

おはなし会にて

遅ればせながら、子ども読書の日の取組で中間休みにおはなし会をした。雨が続いた合間の晴れの日だったから、みんな外に出かけていく子が多かったが、それでも50人くらいは集まったかな。プログラムは、まずは図書部のY先生と図書委員のクラス担任H先生のお…

子どもたちとの会話より

3年生のH君。 以前市立図書館で「注文の多い料理店」の絵本(島田睦子/絵 偕成社)を見たらしく、図書室で同じものを見つけ「これ、こわいんやで。」としきりに言っていた。 あまり読書量の多い子ではないので目に止まり、カウンターの中からじっと目で追っ…

母の愛より 友だち

「ドロロンがいこちゃん」その後。 4年生に後半を読んだ。 みんなどこまで読んだかよく覚えていた。 がいこに、結構感情移入しているのがよくわかる。 いたずら3人組がむねおをいじめるのが腹が立つらしく、小声で奴らをののしっている。 お母さんの形見のバ…

連休あれこれ

今年のゴールデンウィークは、ちょっと休んで仕事。また休んで仕事なので、大人の体調管理にはいいかもと思った。4月30日 友人に誘われて、中島らもの「桃天紅」をシアターBLABA!に観に行く。らも氏生前の活動中に、劇団リリパット・アーミーを観たことは残…

お土産はだれに?

今日3年生に「おでんさむらい ひやしおでんのまき」(内田麟太郎/作 西村繁男/絵 くもん出版)を読んでいて。さいごにひやしおでんを包んでもらい、かぶとむしのかぶへいに「だれのおでん?」と聞かれあわてて「ちゃみせのおみっちゃんのでは、ぜったいな…

本からひろがって

年度末に入れた「お笑いの達人」シリーズ(全4巻/松竹芸能・監修 ポプラ社)。「落語」「コント」「漫才」「おもしろ手品」となっている。これを読むと、人を笑わせるのは実はとても頭をつかうことだってことが、よくわかる。 「コント」編ではTKOがインタ…

みんなで三角ずわりして

先週末に久しぶりに本屋に行き、見つけたのが「おでんさむらい」(内田麟太郎/作 西村繁男/絵 くもん出版)。 西村さんの絵がよくて、何よりも巨大なかぶとむし「かぶへい」がよい、よい。金たろさんの前掛けして、歩いてるんだから。 その日買ったのは、…

日常の大切さ

通常の図書の時間がスタートした。 毎年最初の時間は、図書オリエンテーションを兼ねている。昨日は2年・6年・特別支援学級。 2年生は、図書室の戸をあけて入ってくるとみんな「ひさしぶり〜」「ひさしぶり〜」の連呼。 「図書カードが2年生から小さくな…

桜と「ねたろう」

いま出勤途中に、いたるところ桜! 思わず自転車を止めて、ぼうっと見上げることもある。前任校の校門のところも、見事な桜だ。 いつも通る幼稚園の桜もきれい。 どこもかしこも桜で、いま私がまさに主人公って感じだ。 でも、色と枝ぶりが出色なのは…実は、…

はじめまして 1年生

昨日は着任式と始業式。 久しぶりに会った子どもたちは、背も伸びてなんだか大きいな。体育館に入る前に一緒になった3年生たち。「俺のクラスにしょうまって子が入ってくるねん。」 「これで、クラスはしょうまが3人!」 「そうなんや!」こんな話をしながら…

最後の時間に⑤

4年生の感想より。☆図書室でいちばんおもしろかったのは、先生の読み聞かせです。毎回楽しい話をしてくれるので、いつも楽しみにしていました。この1年で好きになった本は伝記です。だから来年度はぜひ、伝記を入れて下さい。また五年生になっても、よろし…

最後の時間に④

3年生の感想より。☆ぼくは図書の時間をたのしみにしています。よみきかせをよんでもらった本ぜんぶがおもしろかったです。2学級のかりた本でおもしろかった のは、「モノのはじまり百科」①〜⑤です。 おもしろいところは、よんでその物やたべものやいろいろ…

最後の時間に③

2年生の感想より。☆2年生のさいごのリンゴちゃんの話がすごくおもしろくてかりたかった。けど、たのしくて、たのしくて、なんかいもよんでもたりません。(女)☆わたしは、もぐらとのらねこと、こぎつねキッコうんどうかいのまきがおもしろかったです。もぐ…

最後の時間に②

1年生の感想より。☆にんじゃサンタの、子どもたちにプレゼントをわたすとき、おでこにあたりそうなときにあたらなくてよかったです。 はっぽうにらみねこの、さいしょはねずみにまけてたけど、しゅぎょうして、ねずみにかってよかったです。(1年 女)☆ない…

最後の時間に①

最後の図書の時間は終わり、あとは修了式を残すのみとなった。 毎年、図書の貸し出しが終わる3月中旬あたりから一週間ほど、私はものすごく忙しくなる。 子どもたちに、賞状をあげるのだ。 一年間借りた本の冊数を書いて、ひとりひとりにひと言つけて渡す。…

思いはみえない でも

大震災の起こった日、私は心が完全に折れていた。 それは大震災だからではなく、自分の事情で。テレビで大惨事を見ながら、驚き涙が出そうになり、新聞の大見出しが怖く思えるくらい黒々としていた。でも、恥ずかしいが私は、自分のことで精いっぱいだった。…

伝記は電気?

読書クラブで先日の「わすれんぼライリー、大統領になる」を紹介した。メンバーは4年生が中心。 この本は「伝記」というキーワードがポイントだ。 でも、4年生たち…「でんき?」 ん!? もしかして知らないのかい。 おいおい。 私は、伝記ジャンルを説明する…

人の生き方から感じること

小学生の頃は伝記の本といえば、私にとっては図書室で読むものだった。 家にはそのジャンルはなかったし、野口英世やナイチンゲールも本で知った。伝記の本コーナーを順々に読んでいった覚えがある。 しかしだからといって、感動したりいまでも心に残ったエ…

わかってなかったな

棚の掃除をしていたら、娘が小学校の授業で作った絵本が出てきた。 小学校中学年の頃なのかな。 みな共通の4種類の印刷された絵があり、それを絵本用に作った冊子に印刷されている。 子どもたちは、その絵を見ながら自分なりのお話を作っていくというわけだ…

春はすぐそこ

いま1年生がおもしろい。 どんどん成長してきてお話を聞く力も育ってきた。物語の世界と自分との距離がほんとに近くて、吸い取るようにいろんなものを受け止めている。 今日は、「りんごちゃんとのろいさん」(角野栄子/作 ポプラ社)の前作「りんごちゃん…

雪の日 読書

「絵が描ける子 描けない子 児童画教室20年の観察から」(こきかおる/著 サイマル出版会」を図書館で借りて読んだ。 もう30年も前に出版されたもので、当時の年齢はなんと、いまの私と同じくらい。でも、写真のこきさんのお顔のりりしく知的で大人らしいこ…

一週間待って つづきを

「りんごちゃんとのろいさん」後半の読み聞かせ。1年生は、図書室に入って来た時から「なあなあ、りんごちゃんやな!」「続きやで、先生。」と期待度まんまん。 読み手のモチベーションを上げてくれるではないか。2年生は、本を見ると「ああ、そうやった」。…

取組終了

しおりの取組が1月末で終了した。 これで図書委員さんの内職?的作業もひと段落だ。 カウンターの下の棚にしおりを入れておく箱を置いている。 いっぱい作ってストックしてあったはずのしおりが、またたくまになくなる。 「あ〜、…ない。」 そして、また黙…

わがまま疾走感に爽快

「のろいさん?」 幼年童話の本の題名に「呪い」が出てくるなんて、と手に取ったのがきっかけになった。 図書館の棚の前に座り込んで立ち読み。 わがまま主人公の話は他にもあるけれど、脇役が優しかったり気をもんだり大抵バランスを取る。でも、この話はり…

走った 走った

私の住んでいる所から京都駅までは、交通機関で約30分近く。 駅前の本屋に行こうと予定していたのだが、ふと「電動自転車で行ってみようか」と思いついた。 今日は天気もいいし、大丈夫。で、行ってみました。 45分で到着! 帽子・マフラー・手袋・ダウンと…

大人側からか子ども側からか

「はいっちゃだめ」(マイケル・ローゼン/作 ボブ・グレアム/絵 岩波書店)を読んで、考えさせられたことがあった。高層マンションの中にある公園に、ネジのついた段ボールの家を持ち運んだ男の子。 周りの子どもたちは、興味深々で中に入れてほしくて声を…