2009-01-01から1年間の記事一覧

よろしい、しめますぞ

年とともに1年が過ぎるのが早くこわいくらいだが、今年は特に早かった。自分の読んだ本、子どもたちと読み合った本、図書室のこと、身の回りのこと、その時は確かに感じているのに忘れていくように思い、それが怖くなっていた頃。そんな時に、ブログを始め…

読むことは生きること

父が病気で亡くなってしまった朋子は、母が生計を立てるため東京で洋裁の専門学校で学ぶことになり、岡山から離れ、母は東京へ、自分は神戸の叔母の家へと1年間別々に暮らすことになる。 これは、12歳の朋子が伯父・叔母・ローザおばあちゃま・家政婦の米…

もう2学期もおわり

いま5年生の本好きな子たちのなかで、新しく入った「天山の巫女ソニン」が人気。全5巻で、冬休み用にとトップの子が今日4・5巻を借りていく。ほんとはその子は、4巻を読み終わるはずだったのだが終了せず、休みをまたがることになった。 既に3巻目を読…

サニー文庫でブックトーク

サニー文庫スタートの19日、ブックトークをした。 タイトルは「この大切なもの…sunny」。 sunny=日のあたるという意味から、太陽・晴れの日・日向ぼっこ・川遊び・キャンプとイメージをひろげて、絵本や物語を7冊紹介した。どういった層の人たちが来るのか…

シュールさを共有

このところ新しくきた本を図書の時間に順番に読んでいる。 選書は基本は実際に書店や図書館で手にとって確かめたものや、司書仲間たちの評判なども参考にして購入するが、注目する作家の新作や一度読んでみたいものなどは、実物が来て初御対面ということもあ…

ふ・ゆ・や・す・み

5時間目は、特別支援学級の子どもたちとの時間。「とっておきの詩」(村上しいこ/作 市居みか/絵 PHP研究所)は絵本ではなく童話だが、絵も多いし読めると思い始めた。 北森先生の言葉遊びの勉強を受けて、いろんな詩を主人公の男の子が考えだす。それ…

「道程」なんだな

「獣の奏者」Ⅲ探究編Ⅳ完結編をやっと読み終わった。 途中で何度も涙ぐんでしまった。「わたしがしてきたことは、なにか意味があるかしら。わたしは、なにか、できたのかしら」 答えなどないのだと思いながらも、問いかけるエリン。ここまでは、私もよくする…

愛すべき林さん

この「最後の夏休み 〜はじまりの一滴をめざして〜」(三輪裕子/作 佐藤真紀子/絵 あかね書房)は4年生の単元で浄水場や下水場を学ぶ時にブックトークを頼まれるのだが、よく入れる一冊だ。 多摩川の源流をめざして、キャンプを計画し実行する子どもたち…

女たちの物語

駅前の本屋でなんかないかなと探す。 私は、やっぱり本屋で実物を見て買うのが好き。本屋そのものが好きなのかしら。 この「るり姉」(椰月美智子/作 双葉社)は、表紙の絵の感じと帯に神宮輝夫さんが推薦していたので購入した。 神宮さんの名が帯に出るっ…

探し物はなかったけれど、かわりに

久しぶりに母のところに行ったついでに、押入れを物色してきた。 母の物持ちのいいことといったら驚く。大小の箱にひとつひとつ名称をつけて残している。 大人になってから思いだしたときに、ふらりと押入れを開け過去と対面する私。 小学生の時の通知表に始…

音がやさしくふりそそぐ

奈良県大和郡山市にあるやまと郡山城ホールにロバの音楽座の公演を観に行ってきた。 ロバの音楽座は、中世・ルネサンス時代の古楽器や世界の珍しい楽器、そして手作り楽器などを使用し独自の世界観で活動を続ける団体で、一度その音を聞くと忘れられない。久…

オートミール食べた〜い

今日は、学級閉鎖だったため2週間ぶりに会った1年生の片方のクラス。 「久しぶりだねえ、みんな。」と言うと拍手が出てびっくり。「前に読んだ『もぐてんさん』って覚えてる?」 「おぼえてる。」 「もぐらがおっきくなったりちいちゃくなったりするやつ。…

熱は出ても元気 そのわけは

この連休は、私のかかわるNPOが岐阜県の劇団なんじゃもんじゃさんを呼んで3日間4ステージの公演をして付き添っていたため、あっという間に終わってしまった。 で、祭りのあと的な疲れに加え、昨日インフルエンザの予防接種をしたもんだから、なんとなく…

まだまだ

今日の1年生の本は「どんくまさんのぱん」(蔵冨千鶴子/作 柿本幸造/絵 至光社)。 昨日、文庫の打ち合わせで話していた時に彼女が大好きな「どんくまさん」シリーズを見せてもらって、色あいの素晴らしさと至光社の装丁の丁寧さにまいってしまい、これで…

ただいま進行中

自分の自宅のスペースを開放して文庫を開きたいと思うある方とめぐりあって、いま開設に向けて一緒に準備しています。 縁側でお茶を飲むようにゆっくり本を楽しむ、そんな居場所になったら、という彼女の想いに共感し、私の出来ることをお手伝いしようという…

2冊読んでわかったこと

以前に絵本「クラウディアのいのり」(村尾靖子/作 小林 豊/絵 ポプラ社)を読んだ時にこれが事実であることに衝撃を受け、クラウディアの気持ちを考えると気が遠くなりそうだった。でも、心の奥に日本での奥さんはどう思っているのだろうというのが残って…

悩め、生きよハムレット

「大阪ハムレット」。 前情報なしに観たので、こんな映画だとは予想外だった。 松坂恵子演じる主人公が家族を振り回して奔放に生きるストーリーだと思ってたな。全然違った。 確かに奔放には生きてるんだけど、母の存在がちゃんと子どもたちにとってかけがえ…

絵本の世界に遊ぶ

「もぐてんさん」(やぎたみこ/作・絵 岩崎書店)は去年本屋で見つけ買った本だが、低学年に読むととても喜んだ。 がんちゃんちの庭にあらわれたもぐてんさんは、自分の身体を大小自由に変えられるだけでなく、がんちゃん一家も小さくしてくれる。「みぎて…

マトリョーシカに出会う

先日立命館大学の方まで行くことがあり、バス停「衣笠校前」で降りて歩いていたら、かわいいお店の前を通った。 すると一緒に歩いていた友達が、「この店ロシアや東欧の雑貨が置いてあっていいよ。」というので、時間もなかったが「ちょっとだけ!」中に入っ…

ベロニカに思う

「みんなのベロニカ」(ロジャー・デュボアザン作・絵 童話館出版)を読んだらデュボアザンが少しわかったような気がした。 「めうしのジャスミン」はジャスミンに視点が集中してるので、脇の動物たちの個々の印象は弱いのだけど、「ベロニカ」はもっとてい…

尻上がりに楽しくなって

「パトカーのピーすけ」(さがらあつこ/作 やぎゅうげんいちろう/絵 福音館書店) 3年生の図書の時間。 少し幼いかなと思いながら、柳生さん描くピーすけが動きがありとてもよいので、元気なこの学年に絶対合うと思い、この本を選ぶ。 物語がはじまると車…

絵本を再現

「くれよんのくろくん」(なかやみわ/作・絵 童心社)のクライマックス。 いろんな色のくれよんたちがぬりたくった上をくろくんが頭をすべらせてビュービュー書いていく。 そして真っ黒になった画用紙をシャープペンのお兄さんがツツツーっと書いていくと……

学校図書館の現状が社説に

今朝の朝日新聞社説に学校図書館のことが載っていた。 現場の当事者としてはまったくその通りで、一日も早く学校司書をすべての学校に置いてほしい。 また長く継続して勤められる労働条件を整えてほしい。学校図書館に「人」が必要だというのは、かなうかど…

商談成立

そうじの後のかすかな空き時間にやってきた6年生の彼。 ぼそっと、「先生、獣の奏者の続き出たやろ。」 ああ、この子は5年生の最後に1.2巻を読んだんだっけ。 3年近くの時期を経て、この夏ついに3・4巻が出たのだ。 上橋ファンは全国でも多いので、…

あこがれの人

今夜は雨がふっていて、家族は誰もいず私ひとりだ。 少しさみしい気分なので、元気の出る本をと思い本棚から出したのが「めうしのジャスミン」(ロジャー・デュボアザン/作・絵 童話館出版)。 ジャスミンはある日、羽かざりのついた帽子を見つけおおいに気…

その時しか感じられない

2年生の図書の時間。 「いがぐり星人グリたろう」(大島妙子・作/絵 あかね書房) かきの木にひっかかっていた大きないがぐり。 なんとそれは宇宙船だったのだ。 なかから、へんな宇宙人?が出てきた。それがグリたろう。 お人形のポンチョを着せて、ぼく…

生涯の仕事にめぐりあったとき

司書会で、中学の司書さんから紹介を受けた本が魅力的で、「それ以上あらすじを言わないで」とわがままにもさえぎってしまった私。 さっそく貸してもらったが、久しぶりに時間を忘れ読みふけった。ページが終わりに近づくにつれ、悲しくなったほどだ。 アラ…

本に宿る力

あるブログで「どろぼうがっこう」の絵本が取り上げられていた。 お話にひたって、先生と子どもたちとの楽しい会話が聞こえてきそうで、つい私の「どろぼうがっこう」の思い出を寄せた。 すると、他の人たちのそれぞれの「どろぼうがっこう」が重なり、会っ…