よろしい、しめますぞ

年とともに1年が過ぎるのが早くこわいくらいだが、今年は特に早かった。

自分の読んだ本、子どもたちと読み合った本、図書室のこと、身の回りのこと、その時は確かに感じているのに忘れていくように思い、それが怖くなっていた頃。

そんな時に、ブログを始めることになった。

続くかなと半信半疑だったけど、なんとか2カ月。

ネット上で知り合いになる方も出来て、世界がひろがったのが発見だった。

それぞれの生活や仕事の中で、大事にしているものをいっぱい教えてもらった。自分も開示することで、見えてくるものがあるんだな。

でもそう思う半面、私にとってブログはそれでもまだまだわからないツールだ。

私の目に見えてる友達たちはおかしくて、ブログに書き込みせず「あれ見たよ!」「あの日のブログよかったよ」と携帯メールで伝えてきてくれる人たちが多い。(書き込むの恥ずかしいんだって)

それはそれでうれしく受け取っているんだけど、カウンター数を見ると知らない人たちも見て下さってるみたいだ。それが私には実感がない。これがブログってことなんだな。

きっとブログをするということは、こういう体験をみんなするんだろうな。

慣れない私ですが、しばらくはこのままやっていこうと思います。

よろしくお付き合いください。

皆さま、よいお年を。












タイトルの「よろしい、しめますぞ」は、12月の精が大晦日の夜に人間が入れないように森を閉める時の、はじまりの言葉。

マルシャークの「森は生きている」は絵本も紙芝居も出ているけれど、一度は湯浅芳子さん訳の原本を読まれるとよいと思う。(「森は生きている」サムイル・マルシャーク/作 湯浅芳子/訳 岩波書店

「新年をひかえた大晦日の晩、1月から12月までの月の精がのこらず森の中で出逢うという伝説をもとにして書かれた」物語。マルシャークは1946年にこの物語をつくった。

子どもが子どもらしく過ごせる大切さや、自然のありがたさ、大人の役割などが豊かな詩情にのせて語られ、2010年になろうとする今も充分に楽しめる。今は四季関係なくいろんなものが街にあふれ、ひとたびマスコミに出れば翌日には宅配便で届く郷土の名産品。
そんな消費社会につかりきっている私たちには、この物語を読むと背筋がぴんと伸びるように思う。
春にしか咲かないマツユキソウを真冬に探さなければならなくなった娘に、すばらしい贈り物をする12の月の精の場面はとても美しい。


また、歌にもなっている。この楽譜集1冊あれば、そしてピアノが弾ければ、子どもたちといつまでも歌えるよ。作曲者は林光さん。(「森は生きている 楽譜集」林光 一ツ橋書房)

有名な「12月の歌」だけでなく、ウサギとリスが追いかけっこする「尾みじか」、高い木からすべてを見渡す森の「カラスの歌」もいいよ。

お芝居で観たい人は、毎年年末に劇団仲間が東京で何日か公演している。3時間近い舞台だが、保育園児もしっかり観る。

歌を中心に聞きたい人は、オペラシアターこんにゃく座がおすすめ。CDも出ている。