まだまだ

今日の1年生の本は「どんくまさんのぱん」(蔵冨千鶴子/作 柿本幸造/絵 至光社)。
昨日、文庫の打ち合わせで話していた時に彼女が大好きな「どんくまさん」シリーズを見せてもらって、色あいの素晴らしさと至光社の装丁の丁寧さにまいってしまい、これでいこうと決めたのだ。
でもちょっとタイミングが悪かった。
なんとなく朝からにぎやかなクラスのムードと、しっとりしたこの絵本の世界が少しずれていた。
それと、私の下読みが浅かった。一目見ていいなあと思った本だったのに、独特な文章のリズムが声に出してみると思いのほか難しかった。
子どもたちが楽しんでいなかったことはないのだが、本の世界の完成度からすると失敗したなあ、と。もったいなかった。

どんくまさんのゆったりした魅力。おおらかなユーモアと、品のある色調。ひさかたチャイルドなどの、明るい色彩の柿本さんの絵はどこか可愛すぎると常々感じてたので、同じ画家でも私はこちらの方が好きだ。至光社の印刷技術がいいのかな。造りが丁寧なのだ。

どんくまさんのシリーズはたくさん出ているので、少しずつ読みながら自分の中にどんくまさんの世界を入れていこう。
そして、満ちてきたときに、また再び読もうと思ったのだった。

それだけこの本の世界がしっかりしてるのだという証拠。
私はまだまだ未熟だなあ。


この柿本さんの絵で、よく読むのが「ヒッコリーのきのみ」(香山美子/作 柿本幸造/絵 ひさかたチャイルド)。
「たねの旅」などを勉強する時期や、どんぐりの季節に読むのにぴったりなのだ。
低学年の子どもたちは「どうぞのいす」の絵と一緒だと、とても喜ぶ。こちらはかわいい小作品。この可愛さは素直に認められる。