「道程」なんだな
「獣の奏者」Ⅲ探究編Ⅳ完結編をやっと読み終わった。
途中で何度も涙ぐんでしまった。
「わたしがしてきたことは、なにか意味があるかしら。わたしは、なにか、できたのかしら」
答えなどないのだと思いながらも、問いかけるエリン。
ここまでは、私もよくする。
自問自答する。
時には弱くなって、友達に尋ねてしまうことがある。
そして、優しい友達の評価を聞きながら、言わせてしまっている私の子どもっぽさを感じ、ますます自己嫌悪に。
でも、エリンはどんどん進んでいった。
誰も踏み分けたことのない道を、血を出しながら歩いて行った。
評価などはあとでついてくるものなのだ。
行為なしには生まれない。
そしていつ評価が定まるかもわからない。
行為そのものに意味があるのであり、行為は自分の願いや思いから発生するものだ。
答えが出ないときは、行為を続けるしかないのかな。
エリンのような非凡さはとてもないけれど、守りたいもののためには不器用でも踏ん張れる自分でいたいと思った。
そして、人間が作り出したものに人間が滅ぼされるような未来はやっぱり嫌だと思ったのだ。
体力の低下と自分の力のなさにため息が出て、このところ仕事に対するモチベーションが下がっていた。
でも、なんかそんなこと言ってられないなぁと。
明日はまた下がるかもしれないんだけど。
それでも本の力ってすごいよね。
人の気持ちを変えるんだから。
貸してくれたK君、きみはどう思った?
いまは精霊の守人シリーズを愛おしそうに読み進める君。
上橋菜穂子さんの本は、どんなことがあっても最後は人を信頼したいと思わせてくれる。
とても激しい物語だったけど、だから最後まで読めた。