読む・絵本

自分だったら

久しぶりに読んだ「シルベスターとまほうの小石」(W・スタイグ)。お相手は3年生。 ロバのシルベスターは、赤い小石を拾う。 その時、小石をひづめにはさみながら、何気なく「雨が降らないかなあ」と思ったシルベスター。すると、突然どっと降ってきた雨。 …

絵本を体感  チャチャ ウー

「きょうはマラカスの日 クネクネさんのいちにち」(樋勝朋巳/作・絵 福音館書店)。クネクネさんとパーマさんとフワフワさん。 クネクネさんのはいているのは、タイツ?ももひき? 何ともいえないとぼけた味の、でもリズムが頭についてはなれない絵本なの…

書くことで 知る

図書の時間について、年度末に感想をとらせてもらう。 読み聞かせで心に残ったものや、自分で読んでみてよかったもの、図書室についての要望や入れてほしい本などについて、率直に書いてもらうようにしている。今年は異動して1年目なので、特に高学年の感想…

相手をただ想うこと

12月になると、街のあらゆる場所でポインセチアを見る。 もみの木よりは家のなかにも置きやすいし、いま頃は小さなスーパーにだって売っている。 これは、メキシコのおはなし。 「ポインセチアはまほうの花」(ジョアンヌ・オッペンハイム/文 ファビアン・…

なんにも起こってないんだけど

4年生の図書の時間で、新見南吉の絵本を紹介していた。 「ごんぎつね」「てぶくろをかいに」「狐」。すると、「狐」を見た女の子が、「あっ、これ○○先生が読んでくれてた!」とうれしそうに言った。 「長かったから、毎日読んでくれてたけど、最後までいかへ…

時には あたらしい香りを

まんべんなくとはいっても、やはり司書も人間。 その嗜好はやはり書棚にはあらわれる。そして、各学校の図書の時間で親しんでいる読み聞かせの本も、少しずつ違うのは当たり前なのである。新しい学校ということは、差し出す本が子どもたちにとってことごこく…

はじまりは こわい話で

「2学期最初なので、今日はこわい話からね。」 と言うと、 「え〜、こわいの大好き!」「して、して〜」 と声が響く。「ど〜ん ち〜ん か〜ん。さて、なんの音でしょう…」こんな風にして始めた。この絵本は、「どーんちーんかーん」(武田美穂/作・絵 講談…

どんな音がするのかな

図書ボランティアさんとお話をしていた時のこと。「そうそう、うちの子が傘さした時、ポンポロロン…ってならへんわ、って。」 「あっ、やってましたか?」私は、ぐんとうれしくなった!前回の図書の時間に「おじさんのかさ」(さのようこ/作・絵)を読んで…

どっしりした魅力

2年生に「やねのうえのもも」(織茂恭子/作・絵 童心社)を読んだ。表紙は、ぷくっとふくれたももの姿。屋根にのっている。まるで、保育所にいってた時代の娘の服装みたいだ。ももの頑固で頑張るところと、日々の誤解はあってもひろく親の愛に包まれている…

おぼえるが、かんじん

「ねこのごんごん」(大道あや/作・絵 福音館書店)を古本で手に入れた。 ひとりでゆっくり声に出して読んでみた。いいなあ。 名前のなかった野良のちび猫に、家猫のちょんは「ごんごん」と名付けてやる。 ちょんが、いいんだなあ。 甘やかすでなく、かとい…

子どもがえらんだこの本④ 2011

4年生のまき。好みがはっきり出てきて、読み聞かせも低学年のようにはストレートには反応しない。 あとで触れるが、5・6年は毎週会えないのでかえって図書の時間を新鮮に思ってくれる節があり、また絵本なども成長した目で見るが故にもう一度楽しんでくれる…

子どもがえらんだこの本③ 2011

3年生のまき。 2年生と3年生に「ロボット・カミイ」を読んだが(正確には、3年生はまだ読んでる途中だ)、1学年違うと読みとりに違いが出て面白かった。 2年生は、ぐっと感情移入する。口を入れずにはおさまらない。いちいちつぶやいている。 それにくらべ3…

子どもがえらんだこの本② 2011

2年生のまき。2学期は、幼年童話の連続読み聞かせにも取り組んでみた。 「ロボット・カミイ」を紙芝居で1年生の時に読んでいたのを土台にして、「この本がほんとのカミイのお話だよ。」と紹介して読み始めた。 私は担任ではないから、毎日少しずつの読み聞か…

子どもがえらんだこの本① 2011

あけましておめでとうございます。 年末は、忙しくてちょっとブログも滞りがちでした。年越しは、いつもの通り信州・松本でゆっくりと過ごしてきました。 京のおせちを少々持ちかえりましたが(栗きんとんだけが私の作。あとは、by母 といういつものお重でご…

ふたたび出会えて

もう何年も前、国語の単元の読み広げで命の大切さを描いた絵本を紹介してほしいと依頼され、探したなかで「かえるくんととりのうた」(セーラー出版)という絵本があった。 これはマックス・ベルジュイスが作者で、かえるくんのシリーズになっているのだが、…

月に住んでいるのは

月に住んでるのはうさぎって思ってたのは、日本人だから? 何でも、ヨーロッパでは月おとこが住んでるそうな。他にも、いろんな説があるのかな。 先日、「月おとこ」(トミー・ウンゲラー/作・絵 田村隆一/訳 評論社)を1〜4年生に読んだ時のこと。 低学…

聞き手も成長する

2年生に「王さまと九人のきょうだい」を読んでいて。1年生の時にも読んだので、みんなこのお話はよく知っている。 「九人は顔もからだつきもそっくりだったのです。」というところで、よく見ると赤羽末吉の絵は、ほっぺの赤い「あつがりや」や反対に青い「さ…

みんなで三角ずわりして

先週末に久しぶりに本屋に行き、見つけたのが「おでんさむらい」(内田麟太郎/作 西村繁男/絵 くもん出版)。 西村さんの絵がよくて、何よりも巨大なかぶとむし「かぶへい」がよい、よい。金たろさんの前掛けして、歩いてるんだから。 その日買ったのは、…

今年えらんだクリスマスの絵本は

ずっと忙しかったから、ゆっくり買い物にも行けなかった。 日曜日、久しぶりに河原町に。遅ればせに冬が来たので、お店はコートやニット、マフラーが花盛り。毛糸好きの私としては、冬のショーウィンドウが一番魅力的。 ジュンク堂のあるBALビルの1Fに…

若き日のバーニンガム

ジョン・バーニンガム。 「ガンピーさん」のシリーズ(ほるぷ出版)や「ねえ、どれがいい?」(評論社)などは、とてもよく知られていて、軽快なタッチの絵とお話はいつも(いい風が吹いている)感じ。 もともと好きな作家ではあったし、「もうおふろからあ…

ぶっとびナンセンス

学校での購入を待っていたら先になってしまうし、市立図書館でもこれといったものがない。 こんな時に大きな本屋にいったら、だめですよ。 あなた、それは…つい、買ってしまいます。 「まないたにりょうりをあげないこと」(シゲタサヤカ/作・絵 講談社)を…

たんじょうび

今日は、私の誕生日。 なにか、いいことあるかな? 実習中の娘は、バタバタと行ってしまった。 私も、もうすぐ出勤です。 この絵本は、日ごろ大切にしてもらっているリゼッテおばあちゃんの76歳の誕生日に、動物たちがお祝いしようと大奮闘するおはなし。 作…

サッカー子おに

「今日この本を選んだのは、誰かのたんじょうびだからです。」 と前置きすると、 「先生や!」「そうや!」 と子どもたち。 こうしてフィッシャーの「たんじょうび」を1・2年生4クラスに読んだのだが、もう一冊に2年生は「九ひきの子おに」を選んだ。(谷…

なんて女

「3びきのくま」(ポール・ガルドン/絵 ほるぷ出版) を1年生に読んでいて。 ポール・ガルドンの描く女の子は、いかにもアメリカンガールで歯がぬけた7、8歳のやんちゃ娘。3びきのくまの可愛らしさとは違い、傍若無人な振る舞いを繰り返す。 おきまりの…

空想の世界にあそぶ

いま絵本が手元にないから、頭のなかで再現するしかないのだけれど。 「かめだらけおうこく」(やぎたみこ/作・絵 イースト・プレス)を3年・4年の4クラスに読んだ。 思った以上に、子どもたちは「かめだらけの不思議な世界」に釘づけ。 浦島太郎のよう…

ピチコとミチコ

ピチコ。この名前だけで、もうこの絵本はおもしろさの階段を半分までかけあがっている。 「ことりのピチコ」(どい かや/作 学研)。 題名読んだだけで、もう子どもたちは笑うんだもん。ピチコはお父さん・お母さんにえさのこと、飛ぶことなどを教えてもら…

子どもが入っていく本

「いやだいやだのスピンキー」(W・スタイグ/作 セーラー出版)。 スピンキーは怒っている。 スピンキーって名前があるのに、スピンクスとかスピンカリンクなんて兄弟は呼ぶ。 そもそも発端はそこだったのに、家族の誰も気がつかずスピンキーを小さい子扱い…

自分の体験と物語を重ねて

「絵本の本」(中村柾子/著 福音館書店)を読んでいたら、「物語の奥行き」という言葉が出てきて、いつも思う「物語に自分が入り込む隙間がある」ことについて論じられていておおいに共感した。「日常の中にも非日常への入り口がたくさんあって、一枚の布だ…

どうやって泳いだの?

サニー文庫で貸してもらった「みどりいろのバス」(ジョン・シャロン/作 こだまともこ/訳 ほるぷ出版)。 一目読んだ時から、バスからころころと落ちる音楽隊たちや、きんぽうげが大好きなおじいさんうまが大好きになった。 そして、なんといってもアイス…

ようこそ 小さいいきものさん

カタログで見ていて前から「にわのちいさななかまたち」(A・クリングス/作 奥本大三郎/訳 岩波書店)がほしかったのだが、ちょっと幼児向けかなあという感じもし、なかなかふんぎりがつかなかった。 でも、昨年図書予算が多くついたこともあり、図鑑好き…