子どもがえらんだこの本④ 2011
4年生のまき。
好みがはっきり出てきて、読み聞かせも低学年のようにはストレートには反応しない。
あとで触れるが、5・6年は毎週会えないのでかえって図書の時間を新鮮に思ってくれる節があり、また絵本なども成長した目で見るが故にもう一度楽しんでくれるところがある。
でも、4年生はそこまでいかず、時に大人びていたりまた幼かったり。
それが10歳の面白さとも言えるのだろう。
でも、毎週の選書にはやはりエネルギーがとてもいった。
こちらがそれなりに選ぶと、すぐ見破る。
食いつくと、例えばオールズバーグの「名前のない人」や「正夢いちじく」などの世界に入り込む集中力もある。
いつも力まないように、ぴったりくる日もあればそうでない日もあると心に言い聞かせているのだが、私にとっては修業の4年生である。
いまからあげる2冊は、絵本ではない。
挿し絵にインパクトがあり、話の展開にドラマがある読み物を選び、2・3週に分けて読み聞かせした。
作品自体の完成度で言うと、特に「ばいきんあたろー」は私はまだ不満足だ。ただ想像の広がりでいうと「あたろーのお父さんは、どんな気持ちだったのかな」「公園でかえでちゃんと何して遊ぶのかな」「これからどうなるのかな」と期待をもち、考えてみる子が多かったのは確かだ。
そう思わせる魅力が、この本にはあるのだと思う。
「ばいきんあたろー」(村上しいこ/作 大島妙子/絵 PHP研究所)
★私がいん象にのこっている本は、ばいきんあたろうです。理由は、ばいきんあたろうのじゅもんがすごくへんでおもしろいからです。
★ぼくがすきな本は、バイキンあたろうです。理由は、歯をみがかないでねたら、夜にバイキンおにとバイキン子おにがさしにくるのだけど、この本では、すきになった人が歯をみがいてなかったので、歯をさすといわれたけどいやだと言って、その子を守ったりするのがおもしろかったです。
★はじめて口の中に入るとき、鼻のあなに入ったからおもしろかったです。それで、女の子が「おばけ?」と聞くと、ちがうちがうと言ってたので、女の子がホットしてたと思います。ぼくだったら足でふみます。おばけににてるからです。おもしろかったです。また読んでください!
★本を読むはやさがとてもよくて、本もわたしたちにあった本でよかったです。とくに「ばいきんあたろう」がドキドキして、とてもよかったです。
★初めの表紙を見たときは、おもしろいかなーくらいだったけど、読んでるととってもおもしろくなってきて、もっと読みたくなってきました。だから印象に残っています。
★あた朗がまちがえて、鼻の中に入った時、笑けました。なぜあたろうのお父さんは、じゅもんをかけたのにきいてなかったのは、たぶん、あたろうのためにわざときかないようにしたと思います。
「きつねはかせのへんなカレーライス」(小沢 正/作 佐々木マキ/絵 秋書房)
★「きつねはかせ」は、たぬきやぶたが知らないレストランに入って、へんな生き物とたたかって負けたり勝ったりしておもしろかったです。
★一番好きな本は、「きつねはかせのへんなカレーライス」です。とくに好きなところは、ブタが戦に行くところです。おもしろかったので、よかったらぜひもう一度よんでください。
★きつねはかせのへんなカレーライスという本がすきです。きつねはかせに「かっちゅうは入りますか?」という所が後、どうなるかわくわくするからです。
★ブタはカレーライスをたべたいだけなのに、だまされてたたかいさせられる所はおもしろかったです。
★ぼくもあんな所があったら、ちょっとだけ行ってみたいなぁと思いました。
「ちいさくなったおにいちゃん」(ウィリアム・スタイグ/作 セーラー出版)
★おとうさんとおかあさんがけっこんしきでいなくなって、おにいちゃんがダメといわれたけんきゅう室に入って、小さくなっておもちゃみたいになって、おもしろかったです。わたしもあんなふうに小さくなってみたいです。そしたら、お風呂もすぐわくし、小さなすきまにはいれるしたのしそうだからです。でも、ふまれたりおぼれたりするのはイヤです。
★おもしろかったのは、男が父さんのへやにいって、のみ物をのんだお話です。弟が小さな兄の家をつくったのが、弟はすごいなと思いました。母さんは兄のためにベッドとふくを作るのが、母さんはものすごくすごいと思いました。