日常の大切さ

通常の図書の時間がスタートした。
毎年最初の時間は、図書オリエンテーションを兼ねている。

昨日は2年・6年・特別支援学級
2年生は、図書室の戸をあけて入ってくるとみんな「ひさしぶり〜」「ひさしぶり〜」の連呼。
「図書カードが2年生から小さくなるよ。ほら、ここに書くんだよ。」とあたらしいカードを出して見せる。
Kくん、「先生、4年生はどんな大きさなの?」
Hくん、「6年生は?」
やっぱり、そうきたか。
1年から2年になってこんなにカードが小さくなったのなら、4年生や6年生のカードはどんなに小さいのだろう!…ということなんだな。
これが、子どもの発想ってやつなのだ。
「いいえ、こんなには(手で小さいカードをあらわす)小さくなりません。6年生までこの大きさです。」

もうひとつ1年生と違うところは、分類を書く欄が増える。
本の背表紙に貼られている色ラベルを見せて、「この色をここに書くんだよ。ずっと書いていったらね、自分がどのジャンルの本が好きかわかるよ。図書室の本は、本の種類ごとにこうして色で区別してあるんだよ。」

本当は色ではなく分類番号なのだが、2・3年生は色で教えることにしている。そうすると、しばらくは「先生、これは何色?」「これは、どう?」とあちこちで声がかかるようになる。

読み聞かせは「もぐらバス」(佐藤雅彦・うちのますみ/作 偕成社)「おはぎちゃん」(やぎたみこ/作 偕成社)。
春休みをはさんで、久しぶりに本が借りられてうれしそうだった。



6年生には、今年は接点をいっぱいつくりたいと思う自分の抱負を話す。そして図書委員ではないけれど、読み聞かせボランティアお手伝いは大歓迎だと伝える。4年目の学校なので、そうしたことも気負いなく言えるようになった。
本を借りる時も「こんなあらすじの本だったけど、どこにありますか。」「先生のおすすめの本教えて。」と言う子がたくさんいた。そんな6年生の顔を見ていたら、今年は高学年の本の選書を頑張ろうと思う。

さて、今日読んだのは狂言えほん。
6年生は3学期に国語で「ぶす」をやる。
題名を読むと、にやにやと笑う顔。
「みんな、顔のことやと思ってるやろ。違うよ。ぶすって、なんやろう。それは今から読むとわかります。」

狂言えほんは、内田麟太郎さんのシリーズが出ていてされぞれの画家の勢いがいいので、面白い本になっている。
ただ「ぶす」の本に限っては、読み聞かせとしてはもとしたいずみさんの方がいいかな。
クラスで本を変えて読んでみたが、感触としては「もとした版」の方が理解しやすそうだった。でも、読み比べとして2冊紹介するのは盛り上がって良かった。
内田さんのは「柿山伏」(大島妙子さんの絵が最高)がいい。




特別支援学級は今年は担任が変わったので、いまは落ち着かないみんな。あたらしい先生を探ってみたり、甘えてみたり。妙にハイテンションな子どもたちを見て、春だなあと思う。
でも、あたらしい先生は、浮足立った子たちを叱ることもなくどっしり構えていらした。ベテランの先生なので、すぐなじんでしまわれるだろう。
ならば私の役割はということで…なるべくみんなが本の世界に入れるように、はっきりした展開の本をその場で選ぶ。
特別支援学級の場合は、本は前もって決めておかない。予測はしておくが、いつでも変更出来るようにしておく。)
わあわあとなっていたが、「のっぺらぼう」(杉山亮/作 軽部武宏/絵 ポプラ社)で一瞬シーン。「まないたにりょうりをあげないこと」(シゲタサヤカ/作 講談社)で「あっ、まないたが太ってる!」とTちゃんの声。「さかさのこもりくん」(あきやまただし/作 教育画劇)で反対言葉を説明してくれるH。
こんな時間のくりかえしが、彼らをだんだん日常にもどしてくれますように。