つぶやき
「まれ」を見ていて。
元パティシエの祖母がまれに言う。
みんなから、おいしいと言われなくてもいい。
自分がおいしいと思う味を見つけなさい。
どんなパティシエになるか、いつか決めなければいけない時がくる。
みんなに認められることを気にして、唯一無二の自分を見失うことの方がこわいことだよ。
職人は、個の確立が何より大事だからはっきりするのだろう。
でも、まれはまだ20代。
この言葉を聞いて、胸がキュッとなる私はもう人生折り返しを過ぎている。
遅い成長だなあ。
みんなから、おいしいと言われなくてもいい。
頭では充分わかっていて、口にすればすらすら言うことだって出来る。
でも、ほんとにそう思ってる?
どんな司書になりたいの?
ほんとは、よい司書を目指してるの?
私は、こぼれていくものの方がやりたいんじゃないの?
心ない一言を、いつまでも払しょくできない情けない自分。
ちっぽけな、自分。
金子光春の「おっとせい」に励まされ、ひとりでも生きてくんだとうなづいた16歳の女の子は、どこにいったんだろう。
胸につきささった、朝の言葉。