テレビを見ていて

テレビで、岡山県立図書館が放映されていた。
タレントたちが「すごい!」「図書館に行きたくなる」と連呼していた。

書庫は前に見学した国立国会図書館(関西)のようになっていた。この本が読みたいというとカウンターで検索してくれ、書庫のものは機械操作ひとつで連絡がいく。全体のなかで自動操作(人間じゃなく機械が選択し、かごに入れて運ぶ)が50パーセントくらいだったかな。
あとは人間が探すのだが、テレビでは職員の人が依頼を聞いて書庫のなかをダッシュしていた。その人は「やっぱり待たせてはいけないから」と答えておられた。
普通の依頼なら、3分くらいで現物がカウンターに届くのだそうだ。

そして「イメージレファレンス」と呼ばれていたが、利用者が読みたいのだがイメージだけで具体的に何を借りていいのかわからない、というのをレファレンスするサービスを紹介していた。
人文、歴史、科学、児童書などジャンル別の司書を取りそろえ、利用者の好み以前借りた本の傾向などを聞いて、本を紹介するのだそうだ。

利用者の声は、「自分でさがすのが大変だから助かる」「(図書館は)アミューズメントパークのようなところ」と言っていた。
実際に利用率は大変高いらしい。開館前から、人が列をなしているのが写っていた。


私が思ったのは、まず普通の時間帯のエンタメ番組に図書館運営が特集されてることがびっくりだった。注目されないより、された方がよいに決まっている。行政が予算を大幅に投入しないと、こんなことは出来ない。それだけでもすごいと思う。
生涯学習に図書館利用がなくてはならないのは、今や市民のなかでかなり浸透してきているのではないだろうか。
知的公共財産を、市民がうまく利用し生かしていく。
雑誌や音楽CD・DVD、映画など趣味の分野も、入り口として図書館があれば文化を享受する機会は増えるのだ。


もう一つは、多分これを見て一般の人と図書館関係者が感じることは開きがあるだろうなと思った。
日々フツーの図書館で地味に業務を誠実にこなしている職員たちにも、スポットが当たるにはどうしたらよいのかな。
学校図書館だって、「イメージレファレンス」やってるんですよ。
ほぼ、いつもやってますね。
でも、こんなことは目立たない。全校児童の読書力の底上げにはすごく関係してると思ってるけど(私はね)、読書集会や貸し出し冊数やそんなことにくらべると誰も評価してくれない。
で、学校の場合はサービスになったら教育じゃないと私は思っているので、「なんかな〜い?」「なんか先生さがして〜」という子らに紹介しながら(それこそ、日頃の様子・好み・読解力などをリサーチして)、最終的には自分で探し選ぶことが出来る力をつけるのを目標にしている。
誰かがいないと探せないままに、大人になってほしくない。本の楽しみは、自分で見つけるものだと思うから。その喜びを知ってほしいから、イメージレファレンスするんだけどさ。

そこがね。

サービスって、どこまでいくのかな…と。

公共図書館学校図書館は、もちろん違うのだけど。


工夫や改善をしなくてもよい、ということが言いたいのではないよ。
そうじゃないのだけど、図書室内のビフォー&アフターだとか、ビブリオバトルだとか形に見えるものが優先されもてはやされるのに、どこか不服な私がいるのだろうか…。