好みがでてきて

今年になって、初めての1年生との時間。

みんな好みが出てきて、「これについて書いてある本がかりたい。」「こんな大きさの、こんな表紙の本だけど」と言えるようになってきた。
4月からたくさんの本を貸し借りしてきて、いまひとつの形になって出てきている。頼もしく、うれしい成長だ。

人気の本に集中して小競り合いも起こるけれど、少々はもめた方がいい。
もめる前にルールを説明して回避するより、もめた時にお互いを認め合ってルールを決める方が大事だと思う。

今日は、「わたしはあかねこ」(サトシン/作 西村敏雄/絵 文渓堂)が好きで、それこそ何回も何回も借りていた女の子が「ねこちゃんの本ありますか」と言ってきたので、私は思わず「あかねこ?」と確認した。
すると、「ちがうの」と言うではないか。
「そうなんや、他にねこの出てくるお話がないかと思ったんや。」と言うと、うなづく。
チャンスだと思い、こねこムーがありますようにと書架に行くと、あったあった。
「ムーってな、公園にある木馬のおなかのなかでお母さん猫と暮らしてたん。それで、食べ物を探しにいったお母さんが帰ってこなくなって…この本は、それで旅をするようになったムーのシリーズのなかの1冊よ。」
「借りる」

「わたしはあかねこ」に夢中の時は、きっと他のを紹介しても響かなかっただろう。いまだから、よかったんだ。




もう1人の男の子は、ただいまブームの「クッキーのおうさま」を探していたが、貸し出し中。
「おもしろい本ない?」と聞いてきたので、絵本のコーナーに行き「パトカーのピーすけ」(相良敦子/作 柳生弦一郎 福音館書店)取り出し、かいつまんで説明してやる。
ピーすけが、坂を猛スピードで下っていく絵がすごくよいのだが、そこにきたあたりで「これ、借りる」と持っていく。
物語はあまり読まない子だったので、ピーすけを選んでくれたのがうれしかった。

図書カードに書かれた本の題名の字が元気いっぱいで、1年生らしくてよかった。