つみきくんは?

今日は、お待ちかねの1年生。

私もこの学校の1年生だから、なんだか親しみがわくのだ。一緒だなって。
図書カードや、借り方・返し方について説明したところでオリエンテーションはおしまい。毎週来るから、ちょっとずつでいい。

次に「ふたごのあかちゃんとにげたとら」(北川チハル・文 はたこうしろう・絵)を読む。「うふふ」と「やっほう」という名前の、スーパーあかちゃん。予想通り、喜んでくれる。
あかちゃんを乗せたとらが街中を歩きまわると、みんながあかちゃんがさらわれたと勘違いする場面がある。
そこは折り込みになっていて、さらに画面が開く仕掛けになっている。
まだ開く前に、真ん中がパラパラしてるのに気づき、「あ、破れてる!」と心配する子。
あかちゃんたちが、とらの背中からくるりんと落ちていく。口に手をあててびっくりする子。「あかちゃんが自分で立つし、大丈夫。」と予測する子。
それぞれの反応が伝わってきて、私も楽しかった。


そして、まだ貸し出しはせず、書架から好きな本を出して読む時間をとった。
すると、2クラスとも「つみきくん、ある?」と聞いてきた子がいた。
入学式に読んだ絵本の1冊なのだ。
「よく覚えてたねえ。面白かった?」
「うん。」

私の本だなから「つみきくん」(いしかわこうじ/作・絵 ポプラ社を出して手渡すと、うれしそうに机に戻っていった。周りの子が「あ、つみきくんや。」と、うらやましそうに見ている。

これは、すごく嬉しかったのだ。

まだまだ慣れていない職場のなかで、(図書室のレイアウトや本の中身も違う)(子どもたちのムードも違う)(図書の時間の持ち方も、多分違う)…であろう現状のなかで、「つみきくん」で見せた子どもの反応が普遍的なものだったからだ。

子どもは、面白いものを実感したら、まっすぐそれに近づいていくんだな。
やっぱり、そうなんだな。

と思えたことが、自分の仕事のはじまりを後押ししてくれるようで、励まされた。