関節炎もなんのその

めいっぱい動いた土日の翌日。
しかも右肩は関節炎。
でも、ここでだれては仕事人としては失格。自転車に乗りながら徐々にテンションをあげていく。
自転車の時間は、結構「考える人」になっている。
自分のなかでうまい切り替えの時間になってるみたい。
いまの学校は30分近く走らせるので、よい思考タイムになっている。

さて、一か月ぶりの5年生との時間。
米つくりの学習を始めた子どもたちに、米について書かれた本のミニブックトーク。調べ学習の本だけでなく、写真集「棚田をあるけば」を見せて棚田の美しさを見せたり、農文協のふるさとの伝承料理シリーズ「ぱくぱく いろいろごはん」で長野の五平もちを紹介したり。
読み物「お米はなぜ食べあきないの?」(調べるっておもしろいシリーズ/アリス館)の紹介は面白かったらしく、後で子どもが借りてくれた。

そして読み聞かせは、「食べ物じゃなくてはえをのみこんでしまったおばあさんがいたの…」で導入して「ハエをのみこんだおばあさん」(シムズ・カバック/作 フレーベル館)「食べないお嫁さんのおはなしです。」と「くわずにょうぼう」(稲田和子/再話 赤羽末吉/絵 福音館書店)を読んだ。くわず女房の迫力に、だんだん子どもたちはシーン。怖いんだ、この話と絵!
担任の先生に「やっぱり一カ月に一回、こんな時間もちたいです。」としみじみ言っていただき、うれしく思う。












次の時間は3年生。お話を楽しめる学年だから、今日は長いお話をいこうかな…と本だなを見て「あ、ヤカちゃんにしよう。」と決める。「番ねずみのヤカちゃん」(リチャード・ウィルバー/作 福音館書店)カーペットに座った子どもたちは、目ざとく本の表紙を見つけ「ヤカちゃんや!」「大きい声のやつや!」とうれしそうにつぶやいている。2年生の時に読んだのをしっかり覚えているのだ。
全部読むと20分ほどかかる。でも、集中して聞いてくれていた。
大きい大きい声のねずみのヤカちゃんの、ゆかいなお話。
ドドさんが二階から下りてくるのと、ヤカちゃんのしっぽがねずみあなに消えるのと、ねこが椅子の下に入るのとが、ほとんど同時でした、という表現がある。何回かそれまでにも繰り返されるのだが、この3者が同時に違う行為をするところに笑いが起こる。ここを、言葉だけで聞いて笑えるって、とても高度なことだと思う。やんちゃだし、言葉遣いも荒いし、手も出る子どもたちだが、私はこの感性をすごいと思う。1年生の時からずっと、一週間に一回彼らに読み聞かせをしてきたが、聞く力が育ってきていることが本当にうれしい。どんなお話だろうとまず待てるのは、聞き続けると楽しくなるって予測出来るからだ。経験として持っているからなのだ。
2クラスのうちひとつは、来るのが少し遅かったため最後まで読むと貸し出しが出来ないので、途中でやめた。
すると「え〜、最後まで読んで!」「次のページだけ読んで!」。
でも、やっぱりゆっくり借りたいしね、みんな。
「じゃあ、1ページだけ読むよ。続きは来週ね。」
ドドさんの家に見たこともない、帽子を目深にかぶって袋をしょった男が侵入してきたあたりを読んで、その日は終わった。

Nちゃんがそばに来て、「わたし、ヤカちゃんみたいなねずみを見つけたら、窓の近くにいてもらう。だって、どろぼうがこないように見張ってもらうもん。」と、一生懸命おしゃべりしてくれる。
お話を楽しめるって、しあわせなことだなあ。
Nちゃんの笑顔を見ながら、つくづくそう思う。

子どもとかかわっている時は、肩の痛みも忘れる。