カバンにしのばせて
この本、すごくいい。
「あいうえおのうた」(中川ひろたか・詩 村上康成・絵 のら書店))
ただ「あいうえお」ってつながってるだけじゃなくて、ひとつひとつの詩がちゃんとしている。
本の帯には、こう説明してある。
「あ」から「ん」まで、50音ではじまるユーモラスな詩が、大集合!教科書に載っている「あいうえおのうた」をはじめ、元気がでる詩、心にしみる詩など、親しみやすい言葉で子どもたちに語りかける詩の本。
中身は、たとえばね。
「め」
メロン
メロンでやりたい
あみだくじ
なんて、いかにも中川さんらしいものから、
「つ」
つき
つきがきれいなので
きみをおもいだしました
つきがあんまりきれいなので
きみにあいたくなりました
きみは
みていますか
この つき
こんなシンプルな人を想う詩もあって、いつもカバンに入れておきたいような本。
私はこの詩の中で
「き」と
「や」と
「る」が好き。
それはなにかって?
言わないよ。
やっぱり買って、あなたもカバンに入れなきゃね。
よりどころがないような、気持ちが宙ぶらりんの時に、ふと落ち着かせてくれるあたたかい詩集。
中川ひろたかさんって、すごい人だな。
そして、村上康成さんの絵もぴったり添っている。