ただただ本にひたればいい
このところずっと元気のない子がいて、原因は友達関係なんだろうということも想像がつくけれど、じっと見守っている。
友達を追いかける切ない目。
がんばれ、がんばれ、と心の中で思う。
前に2人っきりで少し話したことがあったので、その子の事情はちょっとだけ知っている。
昨日もなんとなく聞いてほしいのかな、というかすかな空気を感じたので、「元気になった?」と聞くと「うん。」と目をまっすぐ見て答えてくれた。
「この頃、本をものすごく読む。ママもびっくりしてる。こんなに早く読んじゃったら、次どうするの?って。」
私は「それでいいんやで!」と大きくうなづいた。
「そういう時なんや。次々とっかえひっかえ読んだらいい。
読む本がなくなったら、いつでも紹介したげる。」
何が変わったわけでもないけれど、その子の抱えるものはその子にしか解決出来ないけれど、私は見守るしか出来ないけれど。
1人でこらえているその子が、偉いなあって。
その子といまは心が通じない子たちだって、普通の子たちで、その子だって普通の子なんだ。
でもいまは、私は1人ぼっちでこらえてる方に添う。
1人で立ち向かうのは、険しい道だもの。
いま、ほんとの強さをその子は模索してるんだもの。
昨日遅くまで「ヘヴン」(川上未映子/作 講談社)を読んでいて、激しく自分の気持ちが渦巻き続けた。
まだうまく言葉に出来ないので、もう少し心に置いておこうと思う。
コジマがそれからどうなったのかが、時間を経るごとに気になってしまう。小説には書いていない。
こうなったのでは、と一つの考えが私を支配する。
ああ、読んだ人と話し合ってみたい。
今は、そこが、その一点がものすごく気になるのだ。
追伸:
ここまで書いてきて、ちょっと不安に。
まさかとは思うけど、前半のエピソードと後半の本の表面的なストーリーとは、全然つながりはないので。
子どもたちのいざこざは本人にとっては大問題だけど、喧嘩両成敗の世界での話です、これは。
「ヘヴン」があまりにもセンセーショナルなストーリーなので、誤解を受けたらいけないと思い…。