映画はやっぱりいいな[観る]

思わぬオフの日が訪れた。

映画でもゆっくり観たいな。
見たかった「ディアドクター」も見逃しちゃったしな。
ふと、新聞で映画の記事を読んだのを思い出した。

誘いたい友だちはいるけど、もう誘う時間がない!
美容院にも行きたいけど掃除もしたいけど、ああどうしよう。
ということで、1人で行ってきた「すべては海になる」。

新聞記事だけの情報で飛び込んだのだが、とてもよい映画だった。

書評家に憧れる27才の女書店員と、破たんした家族のなかで必死にもがく17才の男子高校生の物語。

柳楽優弥が元気になってスクリーンに復活していて、それだけで私は良かったなあとうれしくなった。
前の「包帯クラブ」も良かったけれど、今回の高校生役を見たらこれ以外は考えられない。この人は役の中でちゃんと生きることが出来る俳優なんだなと思う。
私生活ではいろいろあったようだし、19才でなんと結婚もしたらしく、なんだか生き急いでいるような人生なんだけど、息長く俳優を続けてほしいなあ。

映画のなかで彼が話すシーンで、すごく共感した言葉。

「時々どうしようもなく疲れちゃって、なにもかもどうでもよくなったりしませんか。自分で決めて、奮闘していることがバカらしく思えてきて。全部無駄のように感じるときがある。」
そして、
「なんのために、こんなに苦しんでんだろう。先にいったいなにがあるんだろうって。
…どっかで、苦しみの先に、なにかが待ってるんじゃないかって、期待してる」


なんだか今の私には、ぐっとくる言葉だった。
涙が出たけど、いいね映画館は。暗いから泣いてもいいもんね。

地味な映画だけど、でもいろんな人がいろんな切り口で見れるようには洗練されているし、独りよがりではないと思う。

軽く受け流したり、空気を読んだりすることばかりしていると、自分が何をしたいのか見失ってしまう。
一見、人あたりのよい印象を与えるかもしれないけど、そんなんでいいの?そんなもんじゃないよ。
とげとげしてたって、角張ってたっていいじゃない。


そんなメッセージを感じる映画だった。



それから、本屋で働くってこんなのかあ…と、私はいろんな意味で面白かった。
図書館にもいろんな人は訪れるが、商品になるので書店員はもっと戦略的だ。
ベストセラー作家のサイン会、一発本の売り方などなるほどねえ。

書店でも、やっぱりここはいいなと思える店と、ここはたくさん本があるけど気遣いがないなと思う店がある。
それはお客にとっては、大きい差なのだ。その違いは、働く人の「志」によって出てくるのかな、思った。

今度本屋さんに行ったら、またじっくり眺めてみよう。