秋晴れの日に

今日は秋晴れで、運動会日和だった。
我が学校は春に終わっているので、前任校の運動会を見てきた。

もう2年たつんだなあ。
1年生から知っている子たちが、今年は6年生。
日に焼けた顔を遠目に眺めていると、次第に名前までも思い出す。
みんな大きくなった。

声をかけてくれる子たちもいて、組体操の時にどこにいるか事細かく説明してくれたのがありがたかった。

昨年は、もっと懐かしい気持ちが先に立ってたし、子どもらも「なんでいってしまったん」と惜しむような態度で近づいてきていたが、やはり日は過ぎるのだ。
いまの司書さんと一緒に見ていたのもあって、少し距離を置いておだやかに子どもたちを見つめる私がいた。

ああ、あの子はじっとも座っていなかったっけ。
あの子は、いつも窓の下の低い本だなに腰かけてたっけ。
低学年の頃のあどけない顔つきがよみがえり、いろんなことを思い出していた。

しんどかったこともあったけれど、あれもこれもあったから、今の私なんだな。
いろんな思い出は、忘れなくてもいい。
私にとって、どれも心に中でしまっておくのだから。

月曜から、また今の学校の子どもたちと触れ合ってやっていこう。
そう思える、よい区切りになった。


「ねむの花がさいたよ」(にしがきようこ/作 戸田ノブコ/絵 小峰書店)。
ママが突然死んでしまい、きららはまだ自分の心をうまく扱えない。
おじいちゃん、おばあちゃん、ママの妹のハルちゃん。
それぞれの心にいるママは、きららにとってはママだけど、おばあちゃんたにとっては子どもで、ハルちゃんにとってはお姉ちゃん。

自分の心に折り合いをつけていくのには、時間がかかる。
丁寧に気持ちをすくって書いている物語だ。

時間がかかっても、自分がそうだ、と思えないとだめなんだよ。
人に、そうだよと言われてもちがうんだ。

そこが描かれているのに、好感を持つ。