創作する人

ドラマ「なくな、はらちゃん」を楽しみに観ている。

最近ドラマをほとんど観なくなってるので、私にしては珍しいのだがこれはなんとか続けて観ている。

はらちゃん(長瀬智也)のような存在は、鏡のようなものなのかな。

はらちゃんがピュアだから、いつのまにかみんなもピュアになる。

この世のことをなんにも知らないはらちゃんが、知らないが故につぶやく言葉が、けっこう相手を触発させ、しゃべらせ、会話になっていく。

そこが面白いなぁって、思う。

そして、越前さん(麻生久美子)をみていたら、多分、模倣からだんだん創作する人に変わっていくんじゃないかな。これから。

現実の玉ちゃん(かまぼこ工場の社長)が死んで、はらちゃんにアイデアもらいはするのだが、初めて越前さんは前向きにストーリーを展開していく。
越前さんはお父さんを早くに亡くしてるから、人が死ぬのはもういやなのだ。
自分の感情を抑えきれなくなって、はらちゃんの前で泣いてしまう越前さん。そして…。

ペンを走らせながら、口元がゆるむ越前さん。
はらちゃんたちの世界で、これから書き込まれていくでであろう玉ちゃん。
自分のマンガのなかに、玉ちゃんを登場させたのだ。

現実の世界でガーンといろいろあって、感情がうごめいているところから、次第に創作にうつっていく。
昇華していくさまがまさに描かれていて、ちょっと感動してしまった。

創作って、そうなんだよね。
だから、いいんだよね。
苦しいことも、創作することで癒されていく。

「わたしのことはほっといて」と言いながら、越前さんはやっぱり他者と(世の中と)かかわりあって生きてくんだ。
それって、すてきだな。

なんて、すぐ物語に入り込んでしまうだから、私って。