夏休み その2

実家に帰った時に、母が「知恩寺の手作り市に行ってみたい。」と言っていたので、案内人をすることにした。

京都駅で待ち合わせ、少し早く着いた(と思ってた)私は、念のため周りを見まわした。
すると、うす紫の帽子をかぶりすかし編みのニットをはおり、七分丈のパンツをはいたおばあさんがむこうにいた。

ん?母かな。
似てるなあ…。
でも、あの人おしゃれだな。
母は、あんな服持ってなかったなァ。

すると、母だった(笑)

誕生日に、妹にもらったんだって。
慣れない服でいやだと言っていたが、とても似合っていた。
母が外で一人で立ってるところを、遠巻きに見ることはそうないので、なんだか面白かった。


さて、手作り市ですが。
京都ではこの市は結構有名で、プロの人や主婦や若い人の手作りの店が同列に並ぶ。
野菜やケーキ、パン、珈琲、お漬物、洋服、袋物、アクセサリー、陶芸品など多彩で見飽きない。
例えば、東寺の弘法市(地元では弘法さんと言う)なんかは、骨董品や古着の着物、縁日のお店がずらりと並んでいるが、いわゆる玄人の出店が主だ。
それに比べると、知恩寺のは「手作り市」だからもっとほわんとした感じ。(ちなみに、私は昔ながらの弘法さんも大好きなんだ!)

母にとっては、お客さんとの会話を楽しむ店の人たちの態度も新鮮だったようだ。


私は人形が好きなので、ずいぶん悩んでいたが結局買わなかった。
写真だけ撮らせてもらった。
でも、あらためて写真を見たら、やっぱり我が家に連れて帰ればよかったかな…。かわいいでしょ。

みなさん自分の好きなもの作りを、それぞれの世界で目いっぱい楽しんでる感じ。もちろんプロの方はそれだけではやっていけない厳しい道とは思うが、買う側にすればそのこだわりにひかれるのだろうと思う。

古布を使ってパッチワークし、バックを手作りして出している女性がいた。仕事ぶりは丁寧で、他の店のバックとは完成度が違うな…と手に取って感じた。
値段も、やっぱり結構値がはっていた。
母も魅了されていたが、ぱっと買うような金額ではなく、手は出せなかった。
でも、彼女の気概はわかった。プライド持って売っておられるんだなと、理解出来るものだった。

好きなものをまっすぐに持ってる人は、生き生きしているのだな。

そこに元気をもらった私だった。


場所は、百万遍。京大のすぐ近くだ。
月に一回、15日にやっている。他府県の方は、もしもその時期に京都に訪れることがあれば、是非ね。