ちょっといい日
今日は、ちょっといい日だった。
子どもたちと少し近くなれたような気がしたのだ。
まず2年生。
読む本を何にしようか、考えていた。
ほんとは、この子たちの様子を見て本を探すのが筋なんだけど。
でも、まだそこまでわからない。
こんな時は、たのしい「でんしゃえほん」(井上洋介)を。
「でんしゃのおとは こつこつ こつこつ」
靴をはいた足がにょきにょきしている車輪になっている絵に、みんな「え〜、すごっ!」「きもちわるいわ」という子も。
いや、まだまだありますよ。
3がいだてでんしゃに、わぁ〜と大歓声。
ラーメンでんしゃに、「いいなあ…」とマジにつぶやく男の子。
井上さんの世界の強力な磁気が、子どもたちをぐっと引き寄せたようで、読み終わると「あ〜、おもしろかった。」という声が聞こえた。
そして2冊目は、「ひっこしだいさくせん 5ひきのすてきなねずみ(たしろちさと)」。
たしろさんの描き込まれた絵が語る、見飽きない絵本だ。絵の完成度にくらべると、文章がやや追いついてない感もあるが、世界観はしっかりしてるので、たいていの子どもたちは大好きになってくれる。
がらくたで次第に出来あがっていく家に、目が輝いてくる。
学校で過ごしていると、子どもって目が「きらきらする」ってほんとにあるんだなあって思う。
好奇心をいつも持ってるから、心がひらきやすいのかな。
構えがないのかな。
そんな驚きは、自分のところまで返ってくる。
私はこんな風に目が輝いてるだろうか。
柔軟に、いろんなものをとらえられているだろうか、と。
ラストは、番犬ならぬ番ねこがあらわれるのだが、わあっと笑った彼らに、
今度は、「番ねずみのヤカちゃん」いけるかな、と思う。
読み終わったら、2冊とも「これ、借りたい」「これがいい」と何人かが寄ってきた。
ああ、この光景はいつもと一緒。
ほっとした。