頭上を踊る神さま

糸あやつり人形劇団かわせみ座の公演を観に行った。

いいだ人形劇フェスタで二度ほど観ているが、京都公演はおそらく初めて。
とてもとても繊細な人形の動きで、前列で観るのとそうでないのとでは大違いなので、仕事を出来るだけ早く切り上げて会場へ向かう。
端っこだが、なんとか4列目に座れた。

なので、今晩のライヴはその席での満足感によるとことが大きい。
特に2部の、糸あやつりシアターは席による落差があるだろうな。
主催者ならば、その座席によっての観客の不満がとても心苦しくまた永遠の課題なのだけれど、今日はお客なので許してもらおう。

ロシアのおはなし「ちいさいおうち」をアレンジした人形劇は、棒遣い、片手遣い、両手遣いなどの動きが楽しかった。
難を言えば、おばあさんの役者さんの演技が型どおりでふくらみがないのが残念だったが、人形劇の醍醐味は堪能出来たので、私としては満足だった。
すばしっこいリスや、アヒルの口のひらきなど、動きで見せる魅力が人形劇ならではで観飽きない。子どもたちも、そこに反応してケラケラと笑っていた。
セリフじゃなく、動きで笑うのだ。
そこが、大事で、技術に裏付けされているのだ。

後半の糸あやつりは、さすが。
ピエロがブランコに乗るのだが、膝を屈伸させてちゃんとこぐ!
するとブランコが揺れていく。すごいなあ。
仔馬がかけめぐりながら、飛翔していく美しさ。
小熊と妖精の掛け合いがおかしい、コメディタッチの小さな芝居。

そして、いたずらな神様?妖精?パーンが、もう圧巻。
20センチ足らずの人形の動きの、精悍なこと!
途中で客席に飛び出したパーン。(正確には操る山本氏)

何人ものお客さんの頭や手や肩に止まって、動いていったのだが…なんと私の頭の上でもしばらくいたのだ。
スポットが、私の頭上にあたり…ああ、もう1人の私がいたら、この情景が見えるのに!
どんな風にパーンがいたずらしてるのだろう…。
とってもとってもうれしく、またとっても残念だったなぁ。


横に座っていた友だちは、「私は一番かぶりつきの観客だった」と満足そうだった。そりゃあねえ!

やっぱり、私は人形が動いて創りだす世界が好きだな。
糸あやつりは、格別だ。

かわせみ座のHPは、ここ。
動画も見られるので、のぞいてみてください。


http://www.kawasemiza.com/index2.html