おもしろかった本 その1



「ふたごのあかちゃん」「ふたごのあかちゃんとにげたとら」(北川チハル/作 はたこうしろう/絵 ひさかたチャイルド)
毎年1年生に人気の本。よく続きはないの?と聞かれる。私もそう思う。でも冗漫なシリーズ物はいらないので、機が熟したら是非次作を書いてください。ふたごのあかちゃん「やっほー」と「うふふ」。この名前だけで、もう心奪われる1年生。みんなの感想を見ると、あかちゃんに対して持っているイメージがよくわかる。意表をつく設定が面白いんだろうな。

・ふたごのあかちゃんが、うまれてきたばかりなのに、たったからおもしろかったです。(1年)

・赤ちゃんがあるいたりして、すごかったです。(1年)

・あかちゃんがはしったので、びっくりしました。(1年)

・ふたごのあかちゃんは、いたずらをしていたとこがおもしろかったです。あかちゃんがしゃべったのがびっくりしました。ふつうは、あかちゃんはしゃべらないけど、本ではしゃべてました。あかちゃんはあるかないし、いたずらもしないし、どうして本だけそうなってるかは、わかりません。せんせいがよむと、ほんとうにいるかとおもちゃいます。(1年)




「まないたにりょうりをあげないこと」「りょうりをしてはいけないなべ」(シゲタサヤカ/作・絵 講談社)。

ここでは何回も紹介している絵本。やっぱり子どもたちの感想にも出てきた。

・こっくさんのたいちょうのひとが、なべをぜったいにやるなとゆったところと、まないたがちょっとたべたところと、なべがまないたをみたところがおもしろくてわらったよ。まないたとなべは、なべがまないたをみててたべたから、そこがおもしろかったよ。(1年)

このk君の感想面白い。
多分、これ(シリーズ2作目の「りょうりをしてはいけないなべ」)を読んだ時に1作目のまないたが登場してることがわかって、みんな大興奮してる時のことなんだと思う。
誰かが「ほら、なべが見てる!」と叫んでいたのは覚えているのだ。
感想読んで、k君だったんだなとわかった。
本当のところは(作者は)そうでないのだろうけれど、k君の頭のなかで連想が相次ぎ(1作目の本に出てきたまないたが2作目に登場している)→(なべの目線はまないたに!)→(なべはまないたを見ながら食べてるよ!)になったのだろう。
絵本はそこを描いてるのかにこだわるよりも、私はk君がまないたが登場したうれしさで、なべがまないたを見ているように「見えた」想像力の伸びに魅了される。


・かったばかりなのに、すききらいをしてすぐにりょうりをしてはいけないなべとなって、おかれて、ぜんぶのなべがつかわれたとき、ちゅうもんの「えびスープ」とでたので、りょうりをしてはいけないなべがつかわれて、こんどは、はかなかったよ。なべくん、よかったね。(2年)

・りょうりをしてはいけないなべは、コックさんにあまりつかわれていないところがちょっとしょんぼりで、つかわれているときはちょっと楽しい。(2年)



「アボカド・ベイビー」(ジョン・バーニンガム/作・絵 ほるぷ出版)。
考えてみればあかちゃんが主人公の本って、みんな好きだなあ。この本は3、4年生に意外に受けた。中学年になれば、しっかり自分の生活体験とくらべて感想が出ている。逆に言うと、生活実感がよびさまされる力をもった作品なのだ。

・赤ちゃんなのにすごくおもたいものをもち上げたりして、ちょうおもしろかったです。アボカドばっかを食べたら、ぼくも力もちや何でもできる子になれるかなと思いました。でもアボカドばかり食べると、ぼくてきにははきそうになると思います。でもアボカドばかり食べるとすごくなるって、うそみたいです。(3年)

・赤ちゃんなのにわがままで、ごはんも何をあげても食べないしお母さんがあげようとしても食べないのに、小さく切ったアボカドだけは食べれて、それを食べるとどんどん大きくなっていく所がすきです。(3年)

・私はアボカドはあまり好きではないけど、この本はとてもおもしろい本でした。図書室の時間になると、「どんな本を読もうかな。」と思いながら、パッとアボカドベイビーの本を思い出します。(4年)

赤ちゃんの姿かたちが、またいいんだよねえ。
どろぼうが来た時に、追い払おうと構えるポーズが何ともいえず可笑しい。
バーニンガム、ばんざい!