川をさかのぼって

私のかかわっているNPOが毎年行っている「源流さがし」事業を、この秋も実施した。
地域に流れている川の源流はどこにあるのだろう。
子どもたちと川をさかのぼり、たどっていけたら面白いだろうな。

こんな思いから出発し、今年で4回目を迎える。
現地の下見を何度もし、コースも決め、参加者を募り当日を迎える。

高校の社会の先生に川の話をわかりやすくしてもらったり、私たちスタッフでネイチャーゲームをしたり、毎年ただのぼるだけじゃなくて水の大切さや循環のしくみを知ってほしいと思って取り組んできて、今年は自然を守る会の方に話していただいた。

私自身は裏方スタッフであることが多いが、おととしは子どもたちの班に入り一緒にのぼった。
子どもの補助のつもりが、手をさしのべられはげまされてのぼる始末で、川底のぬめりに足をとられバッチャーン!…ずぶねれになってしまった!
というわけで、班のスタッフは身体も動く有能スタッフに譲っているのだが、ホントは子どもたちと川をさかのぼるのがなんたって、この事業の最大の魅力だ。

岩をのぼり、小さな滝をくぐり、その時々に子どもたちの出す力はすごい。ハプニングがあるから、瞬時にためされる力でもある。
もちろん安全管理を怠らないことは大前提だが、危ないからと手すりをつけ、木を取り除き、平らな道にしようとする最近の野外活動の流れには疑問を感じる。

「源流、見てきたよ!9つもあったよ。」
そうだよ。源流って、ひとつじゃないんだよ。

「かにが106匹いたよ!」「そうそう!」
ひえ〜。みんなで数えたんだ。

泥だらけになった服でおりてきた子どもたちの顔は、やっぱりみんなピカピカしていた。

地上?は秋にしてはやはり暑い日だったようだが、山の中はすっかり秋も深まり火が恋しい気温。
火をたき、枝をくべ、火を見てるだけで楽しい。

お弁当にあったおにぎりを枝にさして焼いたり、バナナも焼いたり!

身体は疲れたけれど、自然に触れた一日だった。

うちの学校の子たちも何人か来ていて、ひとりはカニを手に乗せまじまじと見て…「カニに鼻がある!」
ほんまかいな。
もうひとりは、かわいい草花を摘んでいた。「なんの草やろ?」「わからへんなあ」

「よし、明日図書室で調べよう!」と私。
「よっしゃ!」
よろこぶSちゃんとMちゃんだった。