でんしゃのおはなし

夜のJRの車内で。
耳では駅のアナウンスを聞きながら、つい居眠りをしてしまっていたら…。
私のもうろうとした頭のなかでは、降りるのは次の駅だなと思っていた。

するとアナウンスは、「次は○○〜、○○でございます〜」。
えっ!?
乗り過ごしちゃったっけ。
その駅名は、降りることになっている次の駅だったのだ。

数秒後。
「大変申し訳ありません。次は△△〜、△△でございます。」。
なーんだ。
アナウンス、間違えたんだ。
言ってしまった後で、あせっただろうな。

一瞬ぎょっとして目が覚めちゃたんだけど、なんだか可笑しくなりひとりで笑ってしまった小さなおはなし。




列車がいろんなところで止まります。
北極、南極、サバンナ…
いろんな動物が乗ってきます。
「切符を拝見します。ぱちん。」
こんなところで、こんなことしてる!
見るたびに、発見のあるあべさんの絵。


ペンギンが手をふって見送る場面は、すごく美しいです。


読み聞かせるなら少人数がいいかな。
小さい絵が生きる集団で。



最後は「どうぶつえんで〜す。」
動物園駅に到着。みんな降ります。


ここをどう見るかなんだけど、あべさんは動物たちがこの駅で降りたくなるような動物園でありますように、と願ってるのかな。

そして、私は思ったんだけど。


ちょっと里帰りしたいな、と思ったら…
こんな列車にすぐ乗れるといいよね。

サバンナで息抜きしてリフレッシュ。
さあ、そろそろ終電だし、動物園に帰るか。
飼育係のおじさんに、お土産買ってやるか。


なんてね。

「みんなのせて」(あべ弘士/作・絵  講談社)。