図書室でほっこり


全国的な猛暑のなか、この盆地の京都が暑くないはずないわね。
新学期はじまって体育大会の練習もたけなわだが、汗だらけの子どもたち。
見てるだけで、私も体温も上がっていきそう…
こんな時の図書の時間。
何を読もう。
運動会の出てくる物語?みんなで何かを成し遂げた物語?
…そんなものは、毎日本を読まなくても感じてるし、言われてるよなあ。

ということで、黒くやけた顔でカーペットの座った子どもたちに「毎日暑い中、練習ご苦労さん。今日は、少しでもみんなに涼しくなってもらおうとこわい本を選びました。みんな大丈夫ですか。」
「大丈夫!」「平気!」とやまかしく返事が。
「もうひとつ心配なことがあります。こわくておしっこもらさないか…どうもないですか。」
「いやぁ!ありえへん。」「もらさへんわ!」
さあ、いきましょう。「のっぺらぼう」(杉山亮/文 軽部 武宏/絵 ポプラ社)。

「それは、こんな顔だったかい。」「わあ〜、のっぺらぼうだあ…!」
くりかえされる惨劇?に、子どもちのなかにはひきつった表情も。
逃げていく先に、お侍さんがやってきた。ああ、よかった。

「ぜったい、今度ものっぺらぼうやわ!」
口ぐちに言い合う子どもたち。

さて、ラストは?
この本は低学年によい。ラストでほっとするからだ。今回読んだのは1・2年生。

「みんな、こわかったやろう?」と私が聞くと、あれだけ目見開いたり口に手をあてたりしてたのに、
「ううん。全然。」
「こわ(く)なかったわ。もっとないの、こわいの。」

これが、子どもっていうやつなんだなあ。ま、そういうことにしとこ。



中間休みに、図書委員のNちゃんが「先生、なんか最近来る人多いよな。」
「Nちゃんもそう思う?なんでやろ。」
「う〜ん。」
「図書委員たる者、これは分析しな(いと)。Nちゃん考えといてや。」
「なんでやろう。クーラーあるしかな。」

それはひとつあるんだけど、でも教室もあるしね。
運動会の練習のはざまに、ちょっとほっと出来る場所なのかなあ。
たくさん来ているのに、それぞれがそれぞれの本を見て楽しめている、すてきな光景なのだ。
それが、うれしい9月のはじめ。