夏のお勉強会

二つの会に参加して勉強してきた。
ひとつは行政主催の近畿学校図書館夏季セミナー。初日のみの参加だったが、午前中は永田萌さんの講演。
実年齢よりずっとずっと若々しい萌さん。声も美しく、流暢な語りで飽きさせることのない話術はさすが。
ご主人の祖母が、あの住井すゑさんだと初めて知った。
後半は、絵本をスクリーンに映し出して「水の旅はるか〜水天童子ものがたり」(葉山祥鼎/文章 永田萌/絵 京都企画)の読み聞かせをされた。(ちなみに葉山さんとは、葉祥明さんのお兄さんで阿蘇の葉祥明美術館の館長さんだとか。)
なかなかきれいな絵だった。

そして午後は、一度お会いしてみたかった山形県の元学校司書・五十嵐絹子さんの講義だった。
現在は学校図書館支援アドバイザーをされていて、「本の墓場を作らない」(すごい言葉ですね)と、全国の図書館をビフォー・アフター改造のためにアドバイスされておられるとか。
始終熱のこもった語り口で、教師ではない学校司書ならではの視点で、ズバズバと教師相手に本音トーク炸裂する内容は、司書である私の立場では爽快な思いを持った。でも教師はどうだったのだろうなぁ…。

ただ、学校図書館を情報センターとして活用するのはいいのだが、読書を学力と結びつけるあたりは、共感しきれないところもある。
でも、一度生で聞いてみたかったので、私としては満足だ。

40年間情熱を傾けて、学校図書館について真剣に考え常に改革してこられた姿勢には頭が下がる。

販売物もたくさんあり、改造ビフォーアフターDVDや、NDC表示の書棚にすぐ使える書式など、飛ぶように売れていたが…
あまのじゃくな私は、どこの図書館も同じ書式のロゴで書棚が整理されると思うとなんだか変だなと思ってしまうのだった。
(これは、あくまで私の感じ方なので。図書室をどこから手をつけてどう整備していいかわからない人が、これを購入し活用してみるとしたら、それは全然いいのだが)


もうひとつは、民間団体の主催する研究会。
これも一日だけの参加。
都合がつく限り毎年参加しているが、いつも来てよかったと思える研究会だ。
午前は元大阪府立図書館司書の脇谷邦子さんのブックトークの分科会へ。この方も本が好きなんだなあ、とひしひし伝わってくるものがあり、本への愛を感じてやっぱり子どもに伝えるにはこれがまずないと、と思った。
午後は、絵本学研究所所長の正置友子さんの講演。
絵本のなかに子ども像がどう表現されているのか、1950年代〜2000年代と順を追って、日本・アメリカ・イギリスなどの絵本を実際に見せて説明された。これが大変面白かった。
私がなんとなく肌で感じているようなものを、きちんと言葉で論じられ分析される心地よさを感じた。また、時代に押し流されない自分のなかに芯を持った方だと思った。


両日とも猛暑で、行き帰りは茹で上がると思ったくらい暑かった!
でも、学ぶ楽しさを実感した2日間だった。

明日から夏休み図書室後半スタート。

そろそろ私の夏休みも終わりだ。あ〜。