読んで楽しんで












新年度の図書の時間がスタートした。
まど・みちおさんの「くまさん」が好きで、前の学校にはこの「たまごのなかで(春の詩)」(季節の詩の本シリーズ全4巻/こわせたまみ・編 あすなろ書房)があったのだが、今の学校はないので、「ポケット詩集」(童話屋)を読む形でいくことにする。
今年は、はじめに「くまさん」の世界を子どもたちと共有したいと思っていたのだ。


「今日は春の詩をみんなと楽しみたいので、聞いていてね。」
「わあ、ちっちゃい本!」
「ポケットに入るから、ポケット詩集?」
と子どもたちは、ガヤガヤ。


詩だけを朗読する。
もう覚えているので、子どもたちの顔を見て語る。


くまさん
      まど・みちお

はるがきて  めがさめて
くまさん  ぼんやり  かんがえた
さいているのは たんぽぽだが
ええと  ぼくは  だれだっけ  だれだっけ


はるがきて   めがさめて
くまさん  ぼんやり  かわにきた
みずにうつった  いいかお  みて
そうだ   ぼくは  くまだった
よかったな



詩を読むと、「ええと ぼくは だれだっけ だれだっけ」
のところで、くすくす笑いが起こる。
「ぼくは くまだった よかったな」で、もう一度笑う。

ここから遊ぶ。

「くまさんのところを変えてみます。」
私の名前でやってみる。
さあ、図書の○○先生が「わたしはだれだっけ?」となると、みんな大笑い。先生が間違えたり、忘れたりするのは、大好きなんだな。

「先生は、ぼんやり学校にきました。さあ、どうやって思いだすやろう?」
「みんなに聞く!」
「みんなが○○先生って言ってあげる!」

もっと奇想天外なシチュエーションを期待したのだが、子どもたちは優しいんだ。すぐ、教えてくれるんだもの。
もう一度、最初から「替え詩」にして、みんなで読む。

そして、今度は担任の先生にする。
一層盛り上がる子どもたち。
よかった。どちらのクラスも、先生と子どもたちうまくいってる様子だ。だって、先生の品定めする時、どの子も生き生きしてうれしそうなんだもの。

楽しい詩の遊びになった。


その後で、2年生は「ほんやのいぬくん」「ワニーニのぼうけん」を読み、3年生は「もぐらバス」と「まんまるがかり」を読んだ。
本当は「ほんやのいぬくん」(ルイーズ・イェーツ/作 ほんじょうまなみ/訳 岩崎書店)を2学年とも回そうと思っていたのだが、先にした2年生のクラスで、どうしても借りたい子が出現したのだ。
その子は、借りたい本がいつも決まらないので今日のよように主張するのは珍しい。なので、借りさせてあげることの方を取ったのだった。
本の好きな犬の、とてもすてきなお話。本好きにはたまらなく共感出来る絵本。
「まんまるがかり」は、私の好きなおくはらゆめさんの新作。最後にまんまる体操ものっていて楽しい。子どもたちは、だんごむしがぱちぱち拍手するところで、すごく受けていた。
「もぐらバス」(砂糖雅彦/作 うちのますみ/絵 偕成社)の作者はピタゴラスイッチの制作者らしい。4月8日発行のほやほやの本。
題名や話の展開に心を魅かれ、みな喜んでいた。



新しいカードで本を借りる子どもたち。
一年間、よろしくね。