図書室の日々 あれこれ


図書室のカウンター内に司書用のスチール本棚を置いている。
そこには出版社から届く図書カタログや図書備品などもあるのだが、下2段は私物の絵本・幼年童話が入っている。
それらは、自校や市立図書館に適した本がない時に買った本や、自宅から持ってきた本だ。

自分で借りる本がみつからない子に「こんな本はどう?」とその棚から出したりしていたが、いつのまにかそのコーナーは子どもたちの中で“なんだが良さそうな本が集まっている場所”になっているようだ。

一応ルールは決めてあって、カウンター内には入れないことになっている。そして基本はその棚からは、司書の私が取り出すことになっている。
でも「自分で探したいの!」と子どもが主張した時は、時と場合に応じてOKを出す。
その時の、子どもたちがうやうやしく本を吟味する様子を見て、これはひとつの演出だな、と思った。

個人にもどれば、私自身はあんまり細かいルールのない人間だ。
自分の本を貸すことも全然厭わないし、故意に汚すのでなければ消耗も構わない。

でも、子どもたちが本を借りるきっかけをあちこちに作るには、時には演出も必要で、私も多少なりきらないといけない。

そう納得してからは、そのコーナーは「うやうやしい」場所として守り続けるようにしている。子どもたち同士で大事な場所の敷居を勝手に上げていくので、私が見逃しても「あっ、そこは勝手に入ったらあかんで!」「本が決まらへんから、先生にいいって言うてもろたんや!」などと言い合っている。
私は偉そうに、「はい、認めました。」という顔をしている。

なかには、図書室にも本棚にもあり同じ本なのに、だまされたように借りていく子もいるのが面白いんだ。

まあ、関係ない人が見れば、なんの変哲もないスチール棚なんだけどねえ。

(写真に撮って紹介しようとしたけど、ホントに普通の棚なので伝わらないな〜と思い、やめた。代わりの写真は、5年の図書委員さんが図書室を飾ってくれたもの。
その奥に見えるのが、例の本棚です。
テレビの下につけてくれた可愛い飾り。しかし、モビール状のはみんなジャンプして届くかどうか試している。なんか趣旨が違うような気がするけど…まあいいや!)