小さい人の温かみ












16日は、サニー文庫のお手伝い。
この日は貸出カードで、初めて本が借りられるのだ。
主宰のTさんが、茶色い台紙にカードをひもでとめた素敵な貸出カードを作ってくれていた。
これが学校じゃ出来ない、こだわりの品。
文庫ならではで、こういうのがいいなあと思う。

10時30分にはじまると同時に、T一家が親子5人で来てくれた。
お父さんがジャケットを脱いでいくと、中にに埋もれて見えなかった3男が、だんだん見えてくるのが可愛い!まだ、4か月になったばかりなのだ。

長男のH君(6歳)はお母さんに読んでもらい、お父さんは3男の赤ちゃんをだっこひもで抱えたままで、2男のY君(3歳)がちょっとぶらぶらしていたので「Y君、読んだげようか?」というと、「いたずらきかんしゃちゅうちゅう」(バージニア・リー・バートン/作 福音館書店)を持ってきた。
そして、ちょこんと私のひざに座る。
機関車ちゅうちゅうの物語は45ページの大作だ。
重い客車をひくのが嫌になって、ひとりでどんどん行ってしまうちゅうちゅう。
私が読むと、じっと聞いているY君。
小さなおしりが温かい。

こんな温かみで、小さい人と本を読むのは久しぶりで、私は小学校での子どもたちと読み合うのとはまた違う、しあわせを感じた。

読み終わると、Y君「もう一回。」
結局、ちゅうちゅうを2回読んだよ。
続けて2回も「いたずらきかんしゃちゅうちゅう」を読ませてもらうなんて、そう経験出来るものじゃない。
娘がまだ幼かった頃、いろんな本を持ってきて「読んで。」とせがまれた日々を思い出すなあ。

お母さんによると、ちゅうちゅうはY君が大好きな絵本なのだとか。
「アーチボルト」(人の名前)を、はっきり発音して指さす。

後から他の子どもたちも増えてきたので、「いまからお話読むし、聞いてね。」と言い、「ちょろりんのふしぎなセーター」(降矢なな/作 子どものとも傑作集・福音館書店)を読みきかせした。

これは、洋品店に飾られた春色のセーターを見たとかげの子ちょろりんが、おじいちゃんの仕事を手伝ってお金をかせぎ、セーターを手に入れる物語だ。
でも、そう簡単にはセーターはちょろりんのものにはならない。

春色のセーターの色がすごく素敵で、春を待ち望む季節の頃読むとぴったりな本だ。
参加者のひとりの方が「私が夢中でひきこまれてしまいました。」と仰っていた。
その方の子どもさんも小さいので、多分自分が読んであげている毎日なんだろう。
それはそれでかけがえのない日々なのだが、大人でも「読んでもらう」と、とても楽しいのだ。
聞く側に回ると、多くの発見がある。


自分のお気に入りの2冊を選ぶのに、子どもたちは何度も選びなおしていた。
Tさんの感性で選ばれた絵本たちが、子どもたちの手に取られる様子を見ていると、ここは公共図書館学校図書室とはまた違った居場所なのだと、あらためて思った。

小さい人の温かみがうれしかったひととき。