寺町を…

やっと生活が落ち着ちついてきたら、体調ももとにもどってきた。
よかった。よかった。

そんな時、Kちゃんにすてきなドーナツやさんを教えてもらい、そこにフォトアルバムを出展しているのを聞き(Kちゃんは、フォトアルバムを作っている人です)覗きにいった。
家具屋ばかりの通りに普通になじんている、ドーナツやさん。「ひつじ」って名前。なぜ、ひつじなのかな?わからないけど、すぐ覚えちゃうな。

Kちゃんは、ひとりでぷらっとしていて軽やかに、いた。
頑張ってるなって思ったよ。
(でも、あとですっごく緊張してたから、私の顔見て嬉しかった〜と言ってくれた。そうかぁ。全然そんなに見えなかったのに。)


ドーナツはどれもおいしそうで、たくさん買った。
その夜、来ることになっていた内装をしてくれた業者さんへの分も買う。
おいしかったよ。
それと、サイコロ?ラスク。これは、特に絶品だった。


そして、帰りは寺町からぷらぷら歩いて四条河原町まで歩こうと思った。
そしたら、あら、本屋さんだ。

古本屋?
いや、違うなあ。
でも、古本屋さんのような店構えだ。
中に入って、棚をのぞいていたら、面白い。
人形の棚。ぬりえから、御所人形から、市松さんから、それ関係の本が勢ぞろい。ジャンルをまたいで、人形というキーワードでまとめてある。

短歌の本が多い。

漫画家、高野文子の棚。
いまのコミックコーナーって、多すぎて私はもう探せないし、出版社ごとになってるからお手上げなのだが、ここは古本屋さんみたい。
見やすいなあ。

心理学の棚。
教育の棚。

普通は、なかなか置いてない本がたくさん並んでるから古本屋に思えたんだと気づいた。

たくさん処分して、減らして、それでもいま、本棚よりあきらかに多いダンボール(本がつまっている)があるというのに、私はまた本を買ってしまった。

でも、この本を並べた人は、なによりも本が好きなのだというのが強く伝わってきた。おしゃれな本屋がこの頃多くて、それはそれで楽しんでながめるのだが、こういう本屋が私はいいなあ。
本屋って、そっけない素振りしてる方がいい。
本の題名や装丁が充分しゃべってるから。
ポップもほんとはいらない。

でもそれは、私が本が好きで自分で探したいと思うからだろうか。


その本屋の名前は、三月書房。
あとで知ったけど、京都ではとても有名な知る人ぞ知る本屋らしい。


私が嬉しかったのは、ぷらぷら歩いて自分で匂いを感じて入った本屋が、とてもよい空間だったこと。
自分で見つけたんだというのが、そこが嬉しかった。


どこかのガイドブック見て行ったんじゃなくて、歩いてるうちに辿りついたっていうのが、ね。


町歩きって、そういうことなんじゃないのかな。


日常生活についてはなかなか機転がきかないのだけれど、こと本に関してだけは鼻が効くのか、匂いをかぎつけるのか、そんな私である。


今日買ったのは、「『心の時代』と教育」(小沢牧子/著 青土社)「すみれファンファーレ」①②(松島直子/著 小学館)。