入学式に
1年生は元気いっぱいだった。
校長先生の話、来賓の話、PTA会長の話…といっぱい続いて、あくびが出たり、座ってる長椅子がずれてって斜めになってったりしながらも、じっと我慢していた。
えらい、えらい。
式は終わり、写真撮影を待つ間が私の出番となる。
「幼稚園や保育所よりたくさん本があるところが、学校の図書室です。これから毎週、みんなは図書室に行って読み聞かせを聞いたり、本を借りたりするよ。」
15分ほどなんだけど、72人だし、こっちにみんなを向かせるのは結構力がいる。相手はほやほやの1年生だし。これ腕がいります。
最初に手遊び。みんな前のめりになって楽しんでくれる。
そして読み聞かせ。
私が読んだのは、「風の子しりとり」(はたこうしろう/作 戸田デザイン研究室)「キャベツくん」(長新太/作 文研出版)「おしゃれなのんのんさん」(風木一人・にしむらあつこ/作 岩崎書店)の3冊。
「風の子しりとり」は1年生の最初によく読む。
絵がシンプルで色もきれいなのでいいし、しりとりがみんなで出来るのだ。子どもたちのボキャブラリーも、毎年ここで垣間見る。
案の定、72人がそれぞれ言いだす。ものすごい音量。
かけあったり、こちらがひきとって集中させたりと緩急つけて最後まで持っていく。
つぎ「キャベツくん」読むね、と言うとはしの女の子が、
「わたし、もう聞きたくない。」と言う。
疲れたんだな。
「そう。じゃあ、それでもいいし、そこで座っといてね。」
と声をかける。
そうはいっても「キャベツくん」は定番なので、みんなギャーギャー笑い、楽しんでいたが。
最後は、にしむらあつこさんの絵が楽しい「おしゃれなのんのんさん」。本当は、間近で絵を見ながら読みたい本なんだけど仕方ない。
のんのんさんの服の着方のちぐはぐさに、くすくす笑い出す子どもたち。
3冊が終わったところで、終了。
それにしても、今年は結構やんちゃな感じ。
いろいろやらかしてくれそうで、た・の・し・み・た・の・し・み…。
職員室に戻ると先生に「子どもら楽しそうやったね。ちゃんとひきつけて、さすがやね。」とほめてもらう。
本当は、パフォーマンス型は私の好みとするところではない。
しっとり、普通に読みながら本の世界にいざなっていきたい。
でも、時と場合によっては必要なこともある。
なので、今日の私はザ・仕事人ということで。
ま、与えられた場にふさわしい役柄が出来るかがプロですな。
(なんて、偉そ〜〜〜!)