自由な絵

仕事かうたた寝かで、休みが終わってしまっては悲しすぎる。
連休の最終日、重い腰を上げて外出。

小倉遊亀展を観に兵庫県立美術館へ行ってきた。













絵を語れるような才はないのだが、見るのは好きだ。
彼女は、人物を描いても果物を描いても、瑞々しくて見飽きない。

本当は浴槽に入ってる女の人を描いた「浴女 その一」という絵が一番好きなのだが、今回は出展されていなかった。
絵ハガキを買ってがまんした。
(左の絵。日本風呂の良さが伝わってくるのと、女性のほのかな色香がとてもよいと思わない?)













この「浴女」を描いたのは43歳の時で、小倉遊亀は50代、60代でもどんどん描き続け長命(たしか100歳を超えられても生きておられた)で創作活動をした画家なのだ。

今回生の絵をじっと見ていて、人物もよかったが画集で見ていた以上に野菜や果物の絵が生き生きしていて、楽しかった。

九谷焼の器に盛られた葡萄の、水気たっぷりの香りまでしてきそうだ。

「辛かった
 悲しかった
 苦しかった
 
 あの道中も今にしてみれば、それらのおかげで今の心の中にやすら ぎが頂戴出来たように思います。」


絵の修業をすっとして来られた果てには、安らぎが待っていた。
でも、苦しい模索の道中があったこそなんだな。


小倉遊亀の絵と文章を見て、しおれかけの私は背筋を伸ばし、少し元気ももらって強風の吹く灘駅から、京都行きのJRに乗って帰った。