この絵本 1年生の巻


最後の図書の時間は、大サービスの4さつの読み聞かせ。

1年1組との思い出の1冊は「ルラルさんのほんだな」。
初めてこの本を読んだ時に、最初からくすくす笑いが聞こえて、だんだん笑いが広がっていった。
何がおかしいのかな。
ここでこんなに笑うとこじゃないんだけどな。

正直に言うと「ふざけてるのかな」と最初思った。
でも、そういった笑いでもないし…私としては怪訝な感じで読み終えたのが率直なところなのだった。

すると、直後にわかったのだが、ルラルさんの頭と顔がコアラに似ていたので笑ったというのだ。

そうだったんだ。

何人かがそう思って笑ったら、伝染していったのかな?


そしてもう一回読んで、とせがむ。

表紙をひらく。「これはルラルさんです。」
わああ〜と、笑いだす子どもたち。

「なあなあ、もいっかい読んで!」

またひらく。「これはルラルさんです。」…笑う、笑う。

4回ほど続けて最初だけ読む羽目になった。


そんな思い出を振り返りながら、最後に読んだ。
(本当は、この「ルラルさんのほんだな」にしたかったのに、私の本も図書室の本も貸し出したまま返ってきてなくて、「ルラルさんのにわ」にした。)
やっぱり、みんな大喜びだった。

もちろん、ルラルさんのお話もたっぷり楽しんだよ。

今回の私の選書は、自分の伝えたい本より、子どもたちに年間読んだなかでのリクエストを取った。

ルラルさんとコアラがつながるのは、この1年1組だけかもしれない。

でも、1組だけのものでいいのだ。

みんなで可笑しくなって笑い合ったことを、その楽しかった気持ちを覚えておいてほしい。
心に残っていく本の思い出とは、そういうものではないだろうか。

「ルラルさんのストーリーは忘れたけど、やたら笑ったよなあ…!
みんなで本を聞くのって、楽しいなあ。」


そう思ってくれることが、学校司書の私にとっての願いだ。